「人ではないもの」を含む小説

　時は江戸初期、一人の琵琶弾きが趣味と仕事を兼ねて妖怪話を聞いては諸国を歩く 　男の名は芳助、齢は二十を半分過ぎた辺りから数えていない 　どこぞの耳無しの名前と同じ芳の字を親から…

売れない作家兼脚本家の高松賢介は、何でもできて誰もが羨む彼女、堀塚奈々に劣等感を覚えていた。そんな劣等感に耐え切れず、賢介は別れを切り出す。 そんな彼女が亡くなったと聞かされたの…

2050年、人がヒューマノイドと共存している社会で、一つの法律が制定された。 人ではないものから人らしさを奪えと命じる法律に対して、主人公が下した決断は。

魔王率いる魔族とは、魔法が使えなければ対等に渡り合えない。そんな誰しもが当たり前に使えるはずの魔法が一切使えない俺の唯一の長所は『魔法の効きがやたら良い』ということ。 それを売り…

《あらすじ》 明治期に文化の街として発展した菅原市。 この街の大学に通う太一はふとしたきっかけから、人ではないものによる怪異"異界騒ぎ"に対処するための組織「客士院」の一員とな…

【第1回カクヨムWeb小説コンテスト】において特別賞をいただき、角川スニーカー文庫様にて、十二月一日発売となっております。 　ルーミア・セルヴィアソンは吸血鬼である。 　四百年…

親友だったアイツが、私の傍から居なくなって、数年。 祭りの日、私は、同じく友であった彼に、アイツから託されたものと、明かされた想いを聞く。 それを、大切と言い切れるかは、まだ…

人ではないものに執着された、人間という生き物たちの物語。 短～中編集です。

【あらすじ】 　正宗は宇宙開発公社に勤める黒ウサギ型の宇宙人である。 　仕事は別の宇宙からやって来る創造者と呼ばれる人間を補佐して一度滅びた惑星を再開発し、完成後売却することであ…

　軍人として招集された瀬野通成（せの　みちなり）は帰還後、戦死した友人の遺品を遺族へ届けるため利用した山道で盗難に遭い、間一髪のところで少女に助けられる。その少女は、銀髪と赤い瞳…

この世は擬人化したものであふれている。刀剣、銃器、菓子、食物、眼鏡、書物、軍艦、酵素、楽器、衣服、建物、自然現象、動物、エトセトラ。 それらは、「擬人化能力者」達によって、人と…

ロンドンの中華街にひっそりと建つ骨董品店。そこには女装癖の店主と、笑顔を絶やさない下僕、そして虐げられ続ける居候が住んでいる。 彼らの仕事は人ではないもの向けの「何でも屋」。 い…

長い黒髪。胸元に光る碧玉のペンダント。ヨルを狩る美しい少女、小島ユウ。 ヨルとは、暗い情念が闇をまとったもの。 影の刃がヨルを切り裂き、その想いを静かな眠りの中へと沈めていく。 …

　昭和の当時、田舎町の小学生だった津川雄作（つがわ ゆうさく）は、禁足地の山で水面（みなも）と名乗る少女と出会う。二人は次第に打ち解けていき、水面は自分が明治初期に水神の捧げもの…