名前も記憶もないゾンビ少年と、高貴であり400年の歴史を持つヴァンパイア少女のルーミア。そんな二人(二匹?)が出会い、物語の幕が開く。
何よりルーミアが可愛らしい。吸血鬼の特性を最大限萌え要素に昇華し、その魅力的なキャラクター性だけでも、物語にのめりこむことができます。
しかし単なるラブコメではなく、緊迫した戦闘・展開が繰り広げられ、現代アクションの名に恥じぬ緊張感をもたらしてくれました。
続く二章でも、怪物と奇形の違いを取り上げ、そして深い愛情へのテーマを提示するなど、一味も二味も違った面白さがありました。
ライトな雰囲気で読者を引き込み、次第に深いテーマや緻密な世界観へと落とし込んで行く。お手本にしたいほどの構成力でした。一度この作品の魅力にハマってしまえば、抜け出すことは困難だと思います。
※6月23日追記
第1回 カクヨムWeb小説コンテスト特別賞受賞、おめでとうございます!書籍で読める日が待ち遠しいです!
本編のうち『そのいち』まで読了した者です。
誇り高き存在なのに、日本で追われる身やってるせいで貧乏暮らしを強いられているヴァンパイア少女(実年齢は少女じゃないけど)ルーミア。見た目や挙動は人間そのものだが、命も感情も流れる血液も持たないゾンビ青年『 』(名前がないのだ)。ふたりの怪物が出会い、恋をする物語です。
軽いタッチで書かれており、一話一話が短く読みやすい物語です。毎話劇的に物語が動くというわけではないので、最初の方を読んでいるうちは「このふたりがこのまま徐々に徐々に惹かれ合っていくのをずっと描いてる感じの作品なのかな? ハラハラしたりはしないけど、まあこういう形ものんびり読めていいかな」程度に思っていました。
しかし私は見落としていました。この物語が『恋愛・ラブコメ』でなく『現代アクション』カテゴリで投稿されていることを。
完全に油断していたところに忍び寄って来た、少々意外な展開。「おっ、あぁー! なるほどね!」と、そのまま『そのいち』終わりまで読んでしまいました。
いや、うっかり引っかかってしまいました(悪い意味じゃないですよ)。書いた通り文体も一話一話の量も軽くて読みやすいので、皆さんも是非。
二章まで読みました。非常にライトな文章で描かれる、現代に生きる古典的怪物たちのお話。四百年生きてなお心は子どものままで過ごす、少女吸血鬼ルーミアと、食屍鬼(ゾンビ)の『 』の出会いから物語は始まります。
妙にプライドが高くて、妙に負けず嫌いで、自信家で、失敗を認めたがらないルーミア。本作品は、彼女の可愛さ、愛くるしさを、繰り返し繰り返し演出します。そんな彼女に、感性や意識というものを本来持たないゾンビくんが、「心を動かした」理由が唸らされます。ここまでが主に一章の話ですね。
二章からは、化物だらけのフリークショーが登場し、更に深く怪物たちの世界が描かれます。そこで出てくる「奇形と怪物の違い」に関する下りも中々興味深い。結構ダーティなところに踏み込んでいると思います。
そして二章で起こる事件は、この「奇形と怪物の違い」で語られた内容がそもそも発端なのですね。最初は吸血鬼とゾンビのゆるいラブコメ風に始まった本作ですが、二章では恋愛から家族愛の話に収まっております。愛の物語なのですね(二章でもちょっぴりラブコメ要素はある)。
しかし二章からのアレは中々渋いモンスター出してきますね……。
タイトル通りの内容であり真逆の物語でもある本作。
ジャンルは「現代アクション!?」
「ホラーでは?」いえ、違います。
「恋愛なの?」いいえ、違います。
アクション ※以下、Wikipediaから転載です。
アクション (Action ) 、演技・行為・行動・動作など意味する英語。Act (アクト) の名詞。
フィクション作品で、キャラクターの
スタント・戦闘・格闘(殺陣)など動きを表現する言葉。
成程(笑)
現代社会裏側で始まりキャラクターの行動を物語に綴る。
戦闘シーン有無が「アクションではなく、動作も含む」
血沸き肉躍る(笑)シーンは確かに記述されていますので
素晴らしくウィットのある分類で間違いありませんよね。