概要
ルーミア・セルヴィアソンは吸血鬼である。
四百年前、始祖を名乗る吸血鬼に血を吸われて以来、闇夜で生活する吸血鬼となった。
ある日、彼女は一人の少年を襲う。
血の気のない不健康そうな少年だ。
しかしそれは失敗に終わる。なぜならば、彼の体には流れていなかったからだ。
血の気のない彼の体には、血がなかったからだ。
これは人外の物語。人ではないものの物語。
強くて不死身で、けど恋愛には不器用な吸血鬼と、心と感性を知らない鈍感なゾンビの現代怪奇恋愛譚。彼らの関係の物語。
第一章 ヴぁんぷとゾンビの恋愛関係 完結。
第二章 見世物小屋の家族関係 完結。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ゾンビボーイ・ミーツ・ヴァンパイアガールな怪綺談
名前も記憶もないゾンビ少年と、高貴であり400年の歴史を持つヴァンパイア少女のルーミア。そんな二人(二匹?)が出会い、物語の幕が開く。
何よりルーミアが可愛らしい。吸血鬼の特性を最大限萌え要素に昇華し、その魅力的なキャラクター性だけでも、物語にのめりこむことができます。
しかし単なるラブコメではなく、緊迫した戦闘・展開が繰り広げられ、現代アクションの名に恥じぬ緊張感をもたらしてくれました。
続く二章でも、怪物と奇形の違いを取り上げ、そして深い愛情へのテーマを提示するなど、一味も二味も違った面白さがありました。
ライトな雰囲気で読者を引き込み、次第に深いテーマや緻密な世界観へと落とし込んで行く…続きを読む - ★★ Very Good!!あ、カテゴリ違いじゃなかった!現代日本、吸血鬼とゾンビの恋愛物語、とか
本編のうち『そのいち』まで読了した者です。
誇り高き存在なのに、日本で追われる身やってるせいで貧乏暮らしを強いられているヴァンパイア少女(実年齢は少女じゃないけど)ルーミア。見た目や挙動は人間そのものだが、命も感情も流れる血液も持たないゾンビ青年『 』(名前がないのだ)。ふたりの怪物が出会い、恋をする物語です。
軽いタッチで書かれており、一話一話が短く読みやすい物語です。毎話劇的に物語が動くというわけではないので、最初の方を読んでいるうちは「このふたりがこのまま徐々に徐々に惹かれ合っていくのをずっと描いてる感じの作品なのかな? ハラハラしたりはしないけど、まあこういう形ものんびり読め…続きを読む - ★★ Very Good!!細かい事はいい、とにかくヒロインの可愛さを堪能せよ
二章まで読みました。非常にライトな文章で描かれる、現代に生きる古典的怪物たちのお話。四百年生きてなお心は子どものままで過ごす、少女吸血鬼ルーミアと、食屍鬼(ゾンビ)の『 』の出会いから物語は始まります。
妙にプライドが高くて、妙に負けず嫌いで、自信家で、失敗を認めたがらないルーミア。本作品は、彼女の可愛さ、愛くるしさを、繰り返し繰り返し演出します。そんな彼女に、感性や意識というものを本来持たないゾンビくんが、「心を動かした」理由が唸らされます。ここまでが主に一章の話ですね。
二章からは、化物だらけのフリークショーが登場し、更に深く怪物たちの世界が描かれます。そこで出てくる「奇形と怪物…続きを読む