天性の破壊衝動を昇華し、化け物を倒す力とした令嬢「災禍」が人間らしさを得る物語。化け物である境界鬼を倒す役目の名家に生まれ、その中でも異端である天枷禊は、境界鬼を含めた玩具を破壊することに高揚する性分であった。もちろん、玩具には人間も含まれるが、彼女を愛する人がいるおかげもあって倫理観は人並みにあるので、それが禊を人間たらしめている。
設定やアクションはかっこよく、彼女の変化を眺める楽しみもある。
禊の交友関係が広がり、やがて破壊以外の感情が芽生えた時、禊は何を破壊し、何を得るのか。
王道で、少しばかり血みどろな青春と、破壊される世界を読んでみてほしい。