細かい事はいい、とにかくヒロインの可愛さを堪能せよ

 二章まで読みました。非常にライトな文章で描かれる、現代に生きる古典的怪物たちのお話。四百年生きてなお心は子どものままで過ごす、少女吸血鬼ルーミアと、食屍鬼(ゾンビ)の『  』の出会いから物語は始まります。
 妙にプライドが高くて、妙に負けず嫌いで、自信家で、失敗を認めたがらないルーミア。本作品は、彼女の可愛さ、愛くるしさを、繰り返し繰り返し演出します。そんな彼女に、感性や意識というものを本来持たないゾンビくんが、「心を動かした」理由が唸らされます。ここまでが主に一章の話ですね。
 二章からは、化物だらけのフリークショーが登場し、更に深く怪物たちの世界が描かれます。そこで出てくる「奇形と怪物の違い」に関する下りも中々興味深い。結構ダーティなところに踏み込んでいると思います。
 そして二章で起こる事件は、この「奇形と怪物の違い」で語られた内容がそもそも発端なのですね。最初は吸血鬼とゾンビのゆるいラブコメ風に始まった本作ですが、二章では恋愛から家族愛の話に収まっております。愛の物語なのですね(二章でもちょっぴりラブコメ要素はある)。
 しかし二章からのアレは中々渋いモンスター出してきますね……。

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