舞台は戦後の日本。戦地から返ってきた青年と、鬼の娘の生活が、美しく描かれています。この物語を一言でいえば、尊いだと思います。差別と偏見。人間の醜い部分。そういうメッセージ性もある作品です。みなさんも、ぜひ読んでください。
丁寧で美しく描写されるのは、鬼の娘と帰還兵の出会いと日々の暮らし。戦後の、友人知人どころか家族の安否も分らない混乱期を舞台に、実直な帰還兵『瀬野通成』と鬼の娘『凛』の恋愛が描かれている。偏見や過去の出来事に恐れを抱く凛、凛を守ろうと動き出した通成。少しずつ理解者や協力者を得て、日常を過ごしていた二人。そんな日々の最中、凛の過去に繋がる話を聞いた二人は……。人と鬼の違いはあれど、心優しき二人の男女の行く末に幸多からんことを。
戦後の日本という大変な時代を舞台に、主人公は鬼の娘と出会う。空襲で酷い有様となった町や、満足にまわってこない配給。家族や友人たちの消息。これはそんな、ままならない世の中で。鬼だからと身を引こうとする彼女と、それをどうにか守ろうとする主人公のお話です。二人がどこへ向かうのか。どこへ辿り着くことが出来るのか。一緒に見守ってみませんか?