「文芸百合部門 文芸」を含む小説

『だからわたしも、この一本を吸う時に、祈りを込めているの』 大好きな先輩の送別会。 碌に想いも伝えられずに落ち込んでいた私は、先輩に誘われて二人で会うことになる。 雨の気配にも、…

幼い頃から容姿を蔑まれ、顔を見せないVtuberとしての自分を拠り所にする傘崎志穂。 かつて自分に優しくしてくれた男子との再会を夢見る彼女は、配信仲間である女の子から思わぬ告白を…

　シンデレラの姉。 　ガラスの靴を履けない少女。 　彼女はシンデレラにはなれない。王子様とは結ばれない。キラキラ輝くプリンセスにはなれない。 　それでも彼女は、幸福な結末を掴み取…

私の幼馴染のチハルちゃんはいつも私の彼氏を奪い、そして私を甘やかす。 何度目がの略奪でチハルちゃんと絶交していたある日、私はウオさんという美人のバーテンダーに出会う。 ウオさんの…

写真が趣味の女子高生・明香里（あかり）は、美術室でうたた寝していた美少女・沙夜（さよ）を衝動的に盗撮したが……。

私たちを買った女性『サトリ」は、普通の人間とは異なる食文化。なにせ、感情を食べるらしい。 今日も今日とて部屋に呼びだされては、サトリは私を抱き締める。吸って、吐いて、恍惚とした声…

美大生の花歩（かほ）と、工業高校に入学した羽瑠（うる）。 夏の日常の一コマは重いピンクのような想いと、必要とされたい想いで染められている。

のんびり屋でちょっと頼りの無い少女、姫川愛花は幼なじみの星山麻里に片思いしている。そんな麻里から短冊を貰う。短冊には『愛花から告白してくれますように』と書かれていた。好きなのがバ…

高校生になった有馬希は、夏休みを利用して普段から構ってくれる仲のいい叔母の家に、一週間泊まりに行くことを決心する。 七歳の時、ほんの短い時間顔を合わせただけの、叔母の同居人への不…

私、奏と付き合っていい？ その女は奏が私が許可すれば付き合うと言っていたから尋ねたと言っている。 ただそんなこと許すわけない。 私がどれだけ奏のことを思っていたか知らないくせに。…

　雨が降ってきた。 　寮に帰ってきた優（ゆう）は待つ。樹理（じゅり）先輩が自分を訪ねてくるのを。 　でも、樹理先輩の心にあるのは「あのひと」のこと。 　優の姉、愛（あい）のことだ…

飲み会に参加した浅川千明は、同級生たちの会話に参加できず、一人で料理を食べていた。時々、話を振られても、一言返したらまた一人に戻ってしまう。寂しさを感じつつ席を立ち、トイレに向か…

大学入学を期に上京してきた希海。河童の話を通じて仲良くなったリリーと同棲することになる。 しかし、リリーにはたくさんの秘密があり、希海はその秘密に振り回されていく。

太平洋戦争後、二つの大国によって南北に分断された日本。 南北の境界線となっている、鉄条網の近く、「南側」に暮らす幼い日の「私」は、壁の向こうの「北側」の村に住む、同い年の少女と出…

幼馴染のモコと大学で出会った友達のナナと三人で飲み会をする。それ自体は珍しいわけじゃないけど、今日はいつもと趣向をかえて合コンの定番のイメージがあるけどやったことのない王様ゲーム…

　ゲノミック・タトゥー――遺伝子整形が広く行われるようになった近未来の日本。 　右沢有美と親友のちぃちゃんは、揺れ動く日常のなかで、フツウであることの痛みを考える。

このあらすじはネタバレを含みます。本編読了後に見ることを推奨します。 　夏へと切り替わろうとする、雨の季節。残業帰り、雨の降る無人駅で終電を待つ私は、自らを雨女と名乗る不思議…