「息」を含む小説

　俺の名前は藤原結月《ふじわらゆづき》。女っぽい名前だとよく言われる高校１年生だ。 　高校ではそれほど目立たない所謂《いわゆる》クラスカーストの底辺にいるような存在だ。もちろん、…

　母が急病に倒れ、そのまま息を引き取った。 　葬儀を終えた後に数十年ぶりに俺は実家に帰った。自分の部屋の整理をしていると勉強机の引き出しから見つけたのは高校の卒業アルバムだった…

自分以外の人間はすべて利益を産むために利用するべき駒だと思っている生徒会長と、誰かに縋らないと眠れない夜を越えられなかった少年の、救いのない夜の話。 ※R18まではいかないで…

　二〇〇九年十二月二十日。クリスマスを目前に控えたその日に、世紀末から十年遅れて破滅の使者が空からやってきた。巨大な人型機械生命体アーマロイドの軍勢が地球に降下、世界各国に攻撃を…

「アイラ、聞いて……」 　ナオミの声が静かに響いた。彼女の言葉は力なく、しかし彼女の意志ははっきりとしていた。 「あたしね、天国があるって信じてるの。そこには痛みも悲しみもな…

中学生時代の「加藤」と成長したコンビニバイトの「加藤」の二つの視点から、友人の死を巡る真相が明らかになっていく。

魔法と剣の異世界で現役貴族の三男として生まれたボルクス＝エルモンドは病弱で寿命を今まさに終えようとしていたが、死の淵で前世の記憶を思い出し、息を吹き返す。 性格が一変したボルクス…

小郡小学校が自信をもって紹介する金管美人三姉妹。 その中の一人はお堅い雰囲気の眼鏡っ子だった。 彼女の魅力は、レンズの向こう側にあって……。 息を呑む程の瞳の透明度に、練習を忘れ…

　かつて、世界は魔王が支配していた。 　神は人類存亡の危機を憐れみ、異世界からの転生者を招き、転生者は仲間と共に魔王を討伐した。 　が、今度はその転生者と仲間達が世界を支配した…

薄暗い部屋に青白く光る一台のパソコン。その正面にはヘッドフォンを付けてキーボードを叩いている男がいる。それが俺【天野　司】(アマノ　ツカサ)である。 俺は大ヒットとまではいかな…

ピアニストとして国内外で活動している堤井誠二(つつい せいじ)。 彼が高校で出会った天才オルガニスト・新川一音(あらかわ かずね)に対する、憧れと執着の話。 堤井 誠二(つつい…

星はとうの昔に汚染され切っていた。外に出るならば、生身のままではまともに息が出来ず、防護マスクを付けなくては肺が焼かれた。 KAC2024 第6回お題「トリあえず」

道端、野原に咲く小さな物語。 いつの間にか生えて、いつの間にか枯れていく。 そんな集合体。 単独作品よりも短い短編集になります。 ジャンルは1作目の物となり、今後は異なる場合が…

　室町幕府を開いた足利家の支流で、将軍継承権も有していた名門・今川家。その最後の当主・氏真は今川家を潰した事から世間一般に“暗愚”の印象が強い。 　しかしながら、果たしてそうなの…

秘湯を求め、東北地方の山間部を訪れた吾作《ごさく》と寅吉《とらきち》だったが── KAC20245【はなさないで】

救世の志士達が、漆黒革命師団 ザガー・カルツを率いるエイワス・ヒュビネットとの戦いへ巻き込まれる同時代。僅かに遡った日々、それは火星圏の民へ衝撃を叩き付けた。 古代より続いて来…

ここは、あなたのいるところ。　 さあ、もう安心して。。。 ゆっくり、大きく息をしましょう。

　 　中学校へ入学したばかりの山手安芸（やまてあき）は、とある家庭の事情が原因でクラスメイトたちに避けられるようになっていた。 　自分の運命や世の中に落胆し、彼女は周りに心の壁…

『チョビさん』と呼ばれていた猫が逝ってしまった。 長寿ではあるし病気でもない、静かに息を引き取っただけ…。 思えば猫とは不思議な存在だった。

かつて最果ての村にいた英雄。 魔境から入り込む、魔獣を相手に日々戦い、村の英雄として、皆から愛されていた。 しかし、王国が派遣した勇者と共に魔境に入り、返り討ちにあう勇者たちを逃…