裸眼の宝石
作家:岩永桂
ブルーライト ヨコシマ
裸眼の宝石
登場人物は義永、戸田、清水の美人金管三姉妹。
小郡小学校吹奏楽部だった頃の一年後輩たちで
特に清水さんは分厚い眼鏡を掛けていた。
(ホグワーツ魔法使いシリーズに登場する主人公のような容姿)。
事務員に居そうな堅い外見。そんな彼女が裸眼を晒す。
宝石と讃えると大袈裟かも知れないが、彼女の瞳は本当に美しかった。
瞳の表面が程良く潤んでいて、キラキラ輝いていた。
僕達は理科室前の中庭でロングトーンしていて
何かしらのタイミングで、清水さんの裸眼を拝見することになった。
恋に落ちる、程の大衝撃はなかったものの
意識する存在にはなったと思う。
金管三姉妹で群を抜いて美人だったのは義永さんだ。
義永さんは裸眼だった。眼鏡装着前後の
「before」「after」の違いは解らない。
戸田さんも裸眼だった。
そういう意味でも「眼鏡」→「裸眼」という変身は稀有だった。
清水さんじゃない誰かの裸眼も美しかったかも知れないが
僕の記憶は小学生時代から徐々に美化されて
美しい両の瞳が、僕を見詰めて微かに微笑む。
家内も眼鏡っ子で義父は「眼鏡を外すと器量が落ちる」と評していたらしいが
僕は「before」「after」どちらも好きだ。
二十歳の頃の写真は、人気アイドルグループの一員を彷彿とさせる美人で
現在の彼女は落ち着いた雰囲気のある美貌を備えている。
歴代の彼女を時系列で並べていったら
眼鏡率が高い訳ではないのだが、それでも僕は眼鏡に魅入られていると自負する。
ゆこいちくんという親友は恋人に眼鏡装着をせがむ。
典型的な眼鏡好きで、先に断った歴代恋人の欄に眼鏡の人が居ない程の勢いだ。
「嗜好」というよりも「性癖」の部類に入るフレームマニアだが
やはり「before」「after」のギャップ萌えを楽しんでいるのだろうか?
「眼鏡男子」ではないが、ブルーライトカット眼鏡なら持っている。
僕にギャップ萌えする人は居ない。そんなことよりも瞳を護らないと。
裸眼の宝石 作家:岩永桂 @iek2145
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