概要
この世界の常識はおろか物語や伝承を知らないものの、日本にはない魔法とその知識によってロックは怪異の使う異能や幻想を切り裂きながら人と幻想達を通じて奴隷ではない自分を作り上げていく。見知らぬ土地で得たもの全てを自分の記憶に並べながら。
自分のことをただの奴隷だと言えない人生はもう始まっている。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!応援したくなる
主人公くん成長記、という感じが読んでいてするお話です。
頑張れ! と声援を掛けたいというよりは、周囲と関わる中で少しずつ自分自身を見つけていき変化していく様を、後方保護者面しながら「うんうん」と頷く感じになります、読んでいて。
作中で主人公くんと関わっていく人物達も、強引に手を引っ張ってというよりは、主人公くんの自発的な成長を促すように関わっていく、という感じです。
その分、何か突然劇的に変化が起きてというよりは、少しずつ積み上げながら「自分」を主人公くんは作り上げていく印象です。
そのため激動の展開というよりは、丁寧に話が進んでいく感じです。
その辺りで好みは分かれるかもしれませ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「69」番だった少年が「ロック」になっていく物語
魔法書庫(ライブラリ)で魔法使いの司書代わりの奴隷として働いてきた少年69。名前ではなく、それはただの番号。人とほとんど繋がることなく過ごし、感情も希薄なまま成長してしまった69ですが、魔法使いである主人は奴隷の買い替えという名目で69を突如として追放してしまいます。こんなにも無垢な少年はどうなってしまうのだろう、と早速プロローグから引き込まれました。
69が追放され転移した先は、なんと現代の日本です。がらりと雰囲気が変わって参ります。ただ、完全なる現代の日本が舞台ということではなく、突如として現れた怪異が存在し、対怪異組織との戦いが日夜繰り広げられる世界観でした。とある出来事により、69…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「生きる」ことの圧倒的手ごたえ
主人公は魔法書庫(ライブラリ)の元奴隷。魔法を知り尽くし、記録する者。
これまで個として扱われたことはなく、だから名前もない。それが突如、主人に売られ、何もかも常識の違うこの怪異の蔓延る幻想浸食国家・日本に異世界人として現れる。
奴隷番号69番、その名もロックとして。
知識や情報ばかり詰め込んで、ついつい頭でっかちになりがちな現代人は、
多かれ少なかれ、みんな誰しも、ロックなのかもしれない。
スマホを握って、つるんとした日常を淡々と生きながら、なんでも知ったつもりになっている。
でも、ほんとうの世界の手触りは、きっとそんなに生半可なものじゃない。
実際、ロックの前にも厳しい現実が次々と立…続きを読む




