「純文学 家族」を含む小説

ハンセン病を患う少女は、病気を移すことを恐れ家族とすら関係を深めることを拒んでいた。 そんな少女の前に「ハンセン病は移らない」と断言した、若き医者の卵である青年が現れた。 少女と…

この国は財政の逼迫により、さまざまな手当や給付金を削ることを余儀なくされた。 その中で、児童手当が完全に撤廃されると同時にある法律が施行された。 経済的に子どもを養育することの…

【本文より】 隣席や後ろの女性に覗き見られないよう、メッセージの紙を元どおりに折りたたんだ倫子は、ステージ周りのスタッフの中にワカタの姿を探したが、どこにも見当たらなかった。 み…

全寮制の女子校に入学した篠崎は、家族から離れた世界で新しい出会いを重ねていく。同じ寮の同級生、クラスメイト、文芸部の先輩、そして黒川姉妹……肉体的・精神的な悩みを抱えた思春期の若…

旦那と息子の三人暮らしをしている「私」。 女性のやるせない気持ちをリアルに綴った掌編小説。

(２０１９．８コミティアで発行した同人誌再掲） 各話繋がっていません。短編集です。 20210131：ジンジャエールのみ追加（本になってない）

静御前と義経のIF歴史です。こんなだったかなーと。 静御前の終焉の地は記録がないようですが、鎌倉から京都へは戻ったらしいです。 子供は海に捨てられたらしいのですが、生死を確かめた…

父の死は、謙介を動揺させた。しかし、由紀、健太、和男は、父の死に対して、それぞれ別々の感性を働かせているようだった。郷里へと向かう電車の中で、謙介は「父」というものへの思考を深め…

少し重たいヒューマンドラマとなっております。 現代の何処か片隅であるような、極有り触れた話ですが、どうしても形にしたくなってしまいました。 形はそれぞれですが、この地球上の全…

室内で息子と遊ぶ母の「私」の情景と、彼女（とその家族）が置かれた状況についてのワンシーン。平穏の先にある不穏が今を浸潤していくのを、私たちはいかにして食いとめ、平常を保っているの…

詩のコンクールで最優秀賞をとった栄太は、家族に祝福されて、将来は詩人になる気でまんまんだった。しかし、おめでたい日のにぎやかだった食卓は、次の日には元通りに戻っていた。嵐の〈後〉…

『私』は長男に嫁ぎ、娘１人、息子２人を産んだ。この家を狙う義姉と戦い、守り抜いたはずだった。 だけどあるお盆、珍しく揃った子供たちが告げた。「孫は、諦めて下さい」

僕は６人家族でした。父と母と９つ離れた兄と祖父と祖母。僕を含めみな父を毛嫌いしていました。心の底から嫌っていたわけではないのですが、僕以外の家族が常に僕に父への悪態を聞かされてい…

「それ」探しの旅を終えて、「私」は母国である冬の国に帰ってきた。1年中、雪が降り続ける国。そこには「私」の家があり、家族がいる。「それ」は見つからなかったけれど、「私」は「幸せ」…

我輩は猫ではない。名前はイッヌだ。 これは、イッヌの一日、幸せな一日の物語。

あなたにとって夜とは何ですか？ 父と母が喧嘩別れをしてから半年、母は娘を置いて、他の男を選んだ。 酒とギャンブルに溺れる父から逃げるように、今日も少女は夜に身を潜める。 夜に蠢く…

誰も村から離れてはならない。いつしか当たり前になっていたルールの中で、俺は家族と幸せに暮らしていた。なのに。

私には、目の前にある日常が世界のすべて。ふりかえることもなく、未来を望む術も知らず、ただこの瞬間を生きている。 たったひとつ、わかっていることがある。 ほんとうのことは、誰に…

「あなたなんか産まなければよかった」 父親からも母親からも、誰からも愛されることなく育ち、自分が生きる理由を見失った少女・鮮花。 中学生となり、漠然とした希死念慮を抱えながら…