「音色」を含む小説

　ある日の放課後、最近寝不足が重なっていた飯島圭太は、家に帰らずに教室でぐっすりと寝てしまった。すると死んだ幼馴染が夢に出てきた。景色は7年前の、病室の片隅。「私は世界一のバイオ…

ジーコ……ジーコ……とネジを巻く音がして、オルゴールのメロディーが拡がる。曲目は「月の沙漠」　幕が開く。舞台には何もない。赤ずきんが手に四角いバスケットを持ち、ニコニコとオルゴー…

地球は滅亡し、 人類という種の存続は眠れる一〇万三〇〇人の人間に託された。 そんな彼等を管理するのは人造人間メトセラ。 彼の脳は狂気とは完全に無縁の筈だった。 彼は何を夢見たの…

悪魔と契約した、謎が謎をよぶ変な女のコ 彼女がつま弾くのはガクガクと魂を揺さぶるスズメバチのスライドギター！ それはリリカルに突き刺さる黒いトゲ、ブルーズ！ 同名タイトルの漫…

──この音色を、絶やしてはいけないのだ 　柔らかい風が吹き抜ける草原に響き渡るは、青年が弾く憂いを帯びたギターの音色。その音色がうたっているのは、かつて青年の友人であった少女が…

女性とは関わりを持とうとしない男、小川 啓太郎。 だが彼は帰り道に偶然引き寄せられたピアノの音色によって自分より少し下の少女と関わりを持つことになってしまった。1週間と少しの中…

常盤鐘也は、京都御所病院に入院している祖母蘭世を見舞う。 「都座バックステージツアーに参加して宝物を見つけて戻って来たら私の命は助かる」と云われ、さらに都座で行方不明の姉の走流捜…

　時は大正時代。とある日不思議な笛の音色に導かれた青年、宮森司は、満開の桜の下で天女のような絶世の美女に出逢う。どうやらその美女は桜の精霊らしくて……。 　これは桜の精霊と優しい…

アルドは次元の狭間で少女に出会った。 少女は名前も住んでいた場所も忘れていた。 時を超えて少女の願いが叶うとき――アルドは鈴の音色を耳にする。

僕は片瀬 爽(かたせ そう)。 音楽系の高校に通っている。 冬休みに久しぶりに実家に帰って近所を散歩していると、ピアノの音色が聴こえてきた。 駅の構内にあるストリートピアノ。 僕…

遠くで虫の音が聴こえた。 リーン、リンと伸びやかに、途切れ途切れに聴こえる音色は夏の終わりと、秋の訪れを知らせているよう。 夏の騒がしさはなく、どこか物寂しげな音色が哀愁を誘…

　主人公・舞莉は、小学６年生の冬休み明けにあった中学校の吹奏楽部の演奏を聴いて、吹奏楽部に入ることを志す。その中でも、あたたかい音色をもつクラリネットに憧れた。 　中学校に入学…

あの夏の日。 私はテレビの歌番組を見ながら、翌日の旅行に向けての旅支度を始めていた。 「そんなに詰め込んだら帰りのお土産が入らないわよ」 そんな妻の小言を思い出しながら。 テレビ…

三浦りんごは才能のあるピアニストの卵だった。コンクールを十連覇し、その将来が期待されていた。彼女の十一回目の優勝をかけたコンクールで、しかし波乱が起こった。彼女の同門で、まだ演奏…

帰宅した沙羅を出迎えたのは見知らぬ四人の男達。 突然始まったイケメン四人組とのルームシェア生活 音大生の沙羅と四人の男が奏でるハーモニーはどんな音色になるのだろう？

高校一年生の奥谷茂明は、音楽が大好きで様々なミュージシャンに憧れ彼らのようになれたら良いなという夢を持っている。しかし、彼は繊細で内気な性格のため友達などおらず、昔から周りに自分…

かつてピアノの神童と呼ばれた気の弱い神奈と、お姉さん気質でしっかり者のフルート奏者である麗。親友同士の二人だったが、あるコンクールをきっかけに、気持がすれ違い出す。 “歪んだ真珠…

吸血鬼としての生き方を拒み、未だ人間であろうと生き方にこだわる少女ティア。 彼女が、幸せな日常の果てに見た絶望と希望の物語。 架空の小国クラインベルクを舞台に繰り広げられ…

　妹が創造した汚空間（おくうかん）での彷徨から約半年後。 　実家暮らしのぼくは、ヴァレンタインデーの日、親しくしてくれる老夫婦と対面し、彼らの家のふすまに描かれた天使様と女神様の…