BEAT of DAYS
@tomu363
第01話 はじまりの出会い-01
時刻は平日の昼の2時10分
「やべー遅刻じゃねえか」
今日は晴天で雲一つないいい天気、太陽もほどよい輝きで気温も春あけにしてはいい方だ。
そんな穏やかな天気の中、元陸上部ベンチ代表の力で自転車約30分の通学路を駆け抜ける。
昨日あんな事さえしなければ、こんな事にはならならなかったはずなのにと後悔しながら焦り、漕ぐ力が力み、ロクに運動もしない筋肉に負担がかかって足がパンパンで破裂しそうだ。
「くそたれが…」
そして、汗が大量に肌から流れ、徐々に俺の少ない体力をマッハのごとく奪っていく。
昼2時20分
「......う」
10分近く漕いで、やっと学校が見え出したが俺はもう限界に等しい。
でも、諦めずに自転車で走りきり校門の前まで来る。
校門を全速力でくぐり抜けて自転車置き場に自転車を突っ込み鍵をかけ急いで生徒玄関まで向かい、自分の靴を1年生用の少しにっごた感じのださい肌色のスリッパに履き替え職員室に遅刻届けと入室許可書をとるため向かう。
こんな時間に学校に駆け込んで授業も6限目がはじまっているころだろうと憂鬱に思いつつ、職員室のある2階まで急いで駆け上がり、職員室のドアを急いで開ける。
「し、失礼します」
ガチャンと荒っぽいドアの開く音と、俺が息切れして疲れ切った声で言う先生達への敬語が物静かな職員室に響く。
「おーい誰だ?遅いぞ!」
目の前にいる大柄な体育系教師の石田が俺をキツくに注意してきた。
「す、すいません先生……ゲホゲホ」
俺は胸を押さえながらその場でしばらく咳き込む。
「奥谷くん大丈夫ですか?」
石田の近くにいた俺のクラスの担任でもある由実先生がそばに来て背中をさすり、心配の言葉を投げられる。
「は、はいなんとか」
背中をさすられて落ち着いたのか少し荒い呼吸をゆっくりの深呼吸に変えつつ、身体を落ち着かせ、姿勢を正してふたりを見る。
「少しはお落ち着きましたか?」
「全く、で、お前は遅刻か?」
心配し丁重にしてくれる由実先生と、まったく心配などせずただ遅れてきた者には冷たい石田、そんな対象的な反応があってか二人の目は互いに火花を散らす。
「むむ……竜彦先生その態度はあんまりだと思いますよ」
「松井先生こそ、こういうにはこれぐらいの仕打ちが必要なんですよ」
俺への対処が対象的なせいで無駄な言い争いが始まり時間がどんどん押されていき、単位を少しでも落としたくないと思い、ここまで来てこのまま授業の単位を落としてしまう矢先、奥から思わぬ助け船が来る
「こらこら、教師同士で争うのはよくないねえ?」
いきなり見たことのない眼鏡をかけた結構年長そうな男の生徒指導の先生らしき人が、どこかの海賊漫画で聞いた事のある独特な言い方で現れて、仲裁をして由実先生に自分の教員のハンコを取ってくるように命じ、石田を隣に置き遅刻届けと入室許可書を俺に渡して内容を書かされた。
「えっと、奥谷茂明くんだねえ」
「はい」
生徒指導らしき先生は俺が書いた二つの紙を確認しながら、少し気難しそうな顔して言う。
「悪いんだけど、三時間以上の遅刻は精神的不調か家庭の事情による遅刻以外は250字以上の反省文ていう規則がこの学校にあってだねえ……」
「え!?」
俺は眼球が飛び出しそうなくらいの衝撃を受けて、全身が灰色のなりそうになった。
「というわけだから、6限目の授業が終わたら生徒指導室とうわけでねえ」
「つうわけだから、授業が終わたらここに来いよ」
腕組みをして、明らかに偉そうに石田は構えて灰色になった俺を見てめんどくさいそうに言う。
「あ、そうそう奥谷くん……」
生徒指導の先生の横からいきなり由実先生が現れ2つの紙にハンコを押して、入室許可書の方を優しそうな顔で手渡す。
「がんばれ!奥谷くんファイト!」
「は、はい」
心優しい由実先生の励ましに、奥谷くん俺は弱々しく答えて職員室を後にした。
3F 1年c組の教室
「し、失礼します……」
俺は戸惑いつつも教室のドアを開けて、そっと足を踏み入れて教卓に許可書を置き、自分の席へ急いで座る。
急ぐ俺を見て周囲はざわめき、授業が中断するぐらいの騒がしさとなる。
「はいはい、静かに静かに」
俺が席についてしばらくするとクラス全員はやっと静かになり、生物の授業が再び始まる。
「たく、あいつ今からきて何しに来たんだよ」
「まったくだぜ、絶対意味ねえじゃん」
まだ微かに俺の事を話している声がしているが、俺を聞こえないふりをして授業にでも集中しようとくるが昨日の徹夜のせいでまったく集中ができない。
昨日は何をしていたかと言うと、ギャルゲーの攻略である。
なぜ、そのような事をしたのかというと俺はいつも通り、一早く学校から遠退き自転車で家まで向かう帰路の途中に大型の公園があるのだが、そこの自販機で飲み物を買ってベンチに座ろうとした時、公園のベンチ通りに入った途端、他校の男女の生徒がキスをしあってるのを目撃してしまったのだ。
俺はその二人の姿をしばらく見ては、すぐさまお茶を飲み補して自転車で家からすぐの大手ゲームショップに足を運んだ。
こんな寄行に走ったのか具体的な事を自分自身で解説するのだとしたら、ともかくその時の俺は愛が欲しかった。
愛し合う二人を見て、俺は羨ましいと唐突に思い、ギャルーゲーという物に手を出したのだろう。
そんなわけで、おれは最新でお手軽価格でパケージが自分好みだった大きな桜の木がある桜木学園が舞台のサクラダメモリアルというギャルーゲーソフトの全年齢対象版を買い、店を出るとすぐさま家に帰り、旅行で両親もいない家で飯も食べずにひたすらゲームをした。
清純で可憐で美しい学園のマドンナの櫻木彩音、たまたま同じ高校に入ったとっても中のよいかわいらしい幼馴染の谷岡真矢、主人公に好意があると思われるが中々好きな気持ちが伝えられないツンデレさんの柏木瑠璃などと3人も合わせ個性的な7人のキャラ達に囲まれ、俺は幸せなひと時を送った。
ゲームが楽しすぎて、攻略が一段落つきスマホの時間を確認すると朝の4時であった。
俺はもう7時まで起きていようと決心したが、その決心も疲労の前では無力だったらしく、そのままベットで眠りについて、目を覚ますと昼の2時前だったのである。
それで学校に来たらこの有様だ……
まさか、反省文とは...... まだ250文字だけでマシなのだろうが、めんどくさいたらありゃしない。
なんせ、職員室の奥にある部屋の生徒指導室だとは、そこら辺でやらかしまくっている悪な生徒たちと遭遇するかもと思ったらめんどくさ差がさらに増してきた。
自業自得でこればかりはホントに自問自答してもしかなのないことだと思い、ギャルゲーの事と俺の大好きな音楽の事を授業を上の空に考えることにした。
と言っても、後ものの数分で授業は終わってしまう。
帰ったら音楽を聞きながら早くゲームがしたいものである。
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