「見たくない 短編」を含む小説

角川文庫『李陵・山月記・弟子・名人伝』所収。（※キャッチコピーは本文抜粋）

叔孫豹はある夜、夢を見た。天井がどんどんと落ちてくる悪夢の中で、牛に似た男に助けられる。数年後、息子だと名乗る、夢で見たのとそっくりな、牛に似た男に出会う。叔孫は喜んで、彼を重用…

午前様の酔っぱらい。深夜の帰宅中に見つけた桜の木。 どこにでもある桜の木。酔っぱらいの見た桜の木。 ひとときの美しさに酔う。

お題「深夜の散歩で起きた出来事」 「君、厭な死に方するよ」 道端の占い師が、僕の方を見てぼそっと呟いた。 深夜、いるはずのない占い師の言葉に僕は思わず足を留めた。 これは深夜の…

今日も今日とて、動画撮影中のブッコロー。 でも、彼はずっと背中の疼きが気になっていた。 ただただブッコローが、かゆい背中を掻きたいだけの物語です。 YouTube「有隣堂しか知…

　悩んだ時、少年は真夜中に散歩します。 　しかし、そうして帰り着いた少年が見たものは――。 　KAC2023応募作品です。4回目お題「深夜の散歩で起きた出来事」に関して書きまし…

何となく育ち、何となく高校を選び、何となく大学生になり、何となく彼女が出来た男。 男が見ている春の景色は鮮やかな春色ではなく灰色だった。 男は夜中の息苦しさからコンビニを求めて…

山国からの来賓を迎えるにあたって、料理は肉にすべきか魚にすべきか――意見を対立させる、宮廷料理長ラウルと国王付き毒見人レナート。忌まわしい過去の思い出を夢に見たレナートは、眠れな…

夜道は良い。いつもとは違う景色が見られるから。 夜道は良い。開放感を感じるから。 きっと、それは魔が差したから。

中央島には不思議が起きる。 黄水晶や青玉のかけらが雨のように降り、川底からは古代の巨石の歯車が顔を覗かせ、神々の力の残滓をそこかしこに利用した島——。 少年が真夜中に見た不思…

少女は夢を見た 遠き昔に生きた者の過去 少女は目を覚まし朝から忙しそうに準備をする 今日、宣戦布告をした魔王軍との戦争が開始される 勇者となった幼馴染は最前線へ行く その背中を見…

智将と呼ばれ、乱世で戦果を挙げる名君の子息である篠田吉明。 父の英才教育によってその者も若くして大成することとなり、篠田家は安泰かと思われた。 しかし、吉明はある日突然、行方をく…

私の初恋は小学校の時。相手は1つ上の先輩。そして私はストーカースキルを発動し高校まで追っかけてきた。って、怖っ私。というのは――伏せておいて。とにかく高校まで追いかけてきた。 そ…

将来なんてどうなるかわからない。 俺はなんとなく周りに合わせるように勉強をしているだけの受験生。 特にやりたいこともなく。ほんとなんとなく日々を過ごしていた。 そんな俺はとある夜…

KAC2023参加作品――満月が浮かぶ夜の帰り道で〝僕〟が見たモノ。

　大型台風が通過した後、男性の遺体が発見された。 ※ KAC20234、777文字です。

【KAC2023参加作品】 なんやかんやで大学へと進学し、ルームシェアを始めた南城矢萩と神田夜宵のその後のお話。 カクヨムコンとルビー小説大賞に応募中の『なんやかんやで！（リンク…

異世界へやってきて三ヶ月ほどが経った。 冒険者として、この世界に馴染んできた元女子高生・上城ユカは、とある町の長老から、 塔に住む魔女の安否確認を頼まれる。 デタラメに入り組んだ…

KAC20233 第３回お題「ぐちゃぐちゃ」に参加しています。 仕事も恋人も失い、鬱々と過ごす日々。 心配した友人が様子を見に来ます。 「こんな湿っぽくて暗い部屋に住んでたら、…

転移装置におけるバグによって生み出された『真っ黒な本』。 それは転移装置使用時には一定の確率で起こり得るものだが、ある意味では人災とも呼べる。 だって本は持ち歩けるもの。 …