このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(259文字)
信頼を獲得した後に、じわじわと崩壊に導く陰湿な手法。常々思っているのですが、権力を持つ人間に信用されて侍る人は、その権力者が弱った頃を見計らえば、いかようにもできる立場ですよね。ただ一人のお気に入りを作らず、複数の近習を作って、常に互いに見張らせるとか、そういう手段が必要になりませんか。(なんつって)牛は始めから破滅させようとして従順に振舞っていたのか、そばにいるうちにそういう気持ちになったのか、わからないのがまた恐い。人を見る目を養うとか、信頼するって難しいことだなぁ。シェイクスピアの『リア王』をちょっと思い出しました。
牛を愛せば――路傍の美婦を尊べば――運命的な畏怖感に圧倒されずに済んだのか。路傍一夜の契りが全ての根本原因。#カクヨム近代文学館
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