兄弟がリレー式でひとつの物語を作りなす。要約すれば、そうなる。それぞれに、兄弟の個性がみえるところが見どころであり、いかにユーモアがあり明るい家庭であるかが語られてゆく。とても面白かった。ただし、これは過去のはなし、と前提のもとにされている。津軽もそうであったが、きな臭い情勢のなかの作品。憧憬、ユートピアとして書かれたのだろうと思う。そう思うと、苦い。
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