概要
「私は花火のことを考えていたのです。われわれの生のような花火のことを」
夜空に消える一閃の花火に人生を象徴させた作品。角川文庫『舞踏会・蜜柑』所収。※角川ソフィア文庫『芥川龍之介の「羅生門」「河童」ほか6編』に則り、歴史的仮名遣いを改め、漢字表記を現代風に簡易化しております。(※キャッチコピーは本文抜粋)
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- ★★★ Excellent!!!思ひ出ぽろぽろ
その子二十歳櫛にながるる黒髪のおごれる春のうつくしきかな
与謝野晶子の歌を連想した。
明子は当時十七でさらに若く、夢みる夢子ちゃん。
いくつか抑えておくべき点があるが、夢子ちゃんはそのひとつであろう。
そして夢子ちゃんのはじめて参加した舞踏会は、明治天皇の誕生日であり祝賀会。
夢子ちゃんは、フランス語に堪能。
で、舞踏会のはなしは、思い出話。夢子ちゃんであったときのうつくしき思い出。
で、思い出のよきパートナーであった紳士、海軍将校は、明子夫人にとってはあくまでもジュリアン・ビオでしかない。
ジュリアン・ビオの筆名、ピエル・ロティではない。ピエル・ロティの作品に、『お菊さん』がある。
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