「籠」を含む小説

　緑色の毒々しい模様をしたあのブヨブヨの肉塊。幼い頃トラウマだったのを記憶している。

　悪役令嬢に転生した渡辺莉愛、子爵令嬢カナリア・フローラは前世の性格を引き継いでとてつもない弱虫だ。今世で起こることに怯え、怯え、怯えた末にやっと辿り着いた愛おしい人との結婚前夜…

最近、体調が悪いということを自覚している里村桃子だったが、眠っている時に、目を断続的に覚ましていることで、自分が今精神的にショッキングなことに見舞われていることを感じていた。そん…

　明治二年、明治新政府軍が箱館・五稜郭に籠もる旧幕府軍に対し、総攻撃をかける前日――。 　その旧幕府軍の中に、その少年はいた。新選組隊士の一人として――。 　市村鉄之助――、新選…

友情ーーそれは、だいたい大事な場面には寄り添わず、一枚、心の壁を隔てて都合のいい時だけ、穴を開けて熱い風を吹かしてくる。 そんな、猫の気まぐれに、多少の気まぐれと黒い泥を擦り付…

　大林こづえは高校二年生。幼い頃に養子として迎えられたこと。そして宇宙人であることを両親に告げられていた。 　「第一話　自己証明～東京太郎～」 　こづえはある日、骨董市で母親…

私は、ふと訪れた店で、夢色の小瓶を手に入れた……。 そして、私は、夢を見る。 小さな瓶に籠められた、彩りに満ちた、誰かの夢を。 あいまいで、おぼろげで、不確かだけれど、愛お…

高校時代からの親友から呼び出された。 部屋に行ってみると、様子のおかしい彼がいて——。 【KAC2024】参加作品。 お題「トリあえず」

【イング】 　それは冒険への扉。 　この世に溢れる未知を、未経験を、未体験を我が物に！ 　溢れる野望を元に立ち上げられたサークル。 　集ったのは個性豊かな四人。 　元気一杯、体力…

※一話完結。800字のSF超大作。 ※【KAC20246】『トリあえず』参加作品。 かごめかごめ、かごのなかのトリは、いついつでやる。よあけのばんに、つるとかめがすべった。うし…

「夢遊学」という夢の世界に事象を刷り込む学問がある世界において、 「夢重ねシステム」というひとりの女性のみせる夢の世界に支配された国をめぐる短編になります。 エブリスタ様の短編コ…

わたしは籠の中で静かに静かに生きている。 唯一の楽しみは鳥と遊ぶこと。 ５分で読めるショートショート。 隙間時間にどうぞ。 KAC「はなさないで」お題の作品です。 『この物語…

引っ込み思案の青年・一郎は、社会との接点を持てずにいた。ある日、大きな箱を拾う。 一郎は箱の中に籠もるようになる。箱の中は、一郎にとって安心できる空間だった。 一郎は箱の中で…

昭和50年（1975年）、家庭教師として訪れた名家で1人の少女と出会う。 「私は籠の中の鳥。決して自由に空を飛ぶことの出来ない哀れな鳥なのです」 儚げな少女の言葉の意味とは。…

アパートの部屋に引き籠もってしまった友人Ｋ。心配した“僕”がＫの部屋を訪ねると、そこで彼が語りだしたのは、“もう一人の自分”に関する奇妙な体験談だった。

「" かごめ かごめ 籠の中の鳥はいついつ出会う "」の雰囲気を使った(恐怖の)恋愛物語......。 籠の中の小鳥は、かごめかごめの子守唄の運命から逃げることが出来て幸せになれ…

“魂晶師”――宝石に人の魂を籠める不思議な力をもつ白銀の青年は、逃亡の最中、森でひとりぼっちの少女と出逢う。しかしそれが災いとなり、自身の復讐に巻き込んでしまった彼は、せめてもの…

「どうかしあわせになって、わたしの女王」 大地に眠る歴代の王が次の王候補者を選ぶとされる国イルデトゥス。 王都の片隅に忘れ去られていたはずの『雑草姫』アウローリィアは、何の手違い…

訪れた一戸建ての家 窶れて疲れた母親 部屋に籠もったきりの娘 私はこれから彼女たちの闇を内見しなければならない 果たして闇の中に何があるのか 私は見届けようと思う