むゆうがく

木目ソウ

第1話

 西からは銃声、東からは怒声がきこえる。

 深夜帯。

 女が一人、うすぐらい研究室に忍び入った。

 部屋には蒼白く発光する水槽がならんでいる。

 中にはコードのつながった、脳ミソがうかんでいる。


 女は部屋の中央へ歩きだした。

 彼女の足音は壁にはねかえってひびいた。

 やがて、ひとりの女性が眠る水槽にたどりついた。

 女性は裸のまま眠りについていた。胸におおきな刺し傷があった。女は女性の水槽にふれた。

「アイラ……私はこの日をずっと待っていた。今宵、あなたを消します」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る