「溶ける」を含む小説

事故により小惑星に不時着した宇宙船に乗る私は、４年に一度の定例作業に着手する。 恒星の熱により氷が溶ける僅かな時期に信号を発しなければならないのだ。その信号の向かう先にあるのは……

とある時代――平安の時に封じられた「ものたち」が、来るときに、封印が溶けるまで守り抜く 役目を持つ者たちがいた、彼らは守ることができるのか

「水色ってのは、暖かい色だよ」 潮騒、磯の香り、渡り鳥の声――海を感じることが、水島光の唯一の楽しみだった。 先天性の全盲である彼女の世界に、色はない。 「水は透明だ。色なん…

ずっと降りしきる静かな雨の中、サッカー部で足を故障した天宮はバス停で同級生の日向と出会う。二人は雨の中でゆっくりと心を通わせていく。やがてささやかな雨が悲劇を引き起こしていく。最…

不審者扱いされないよう気を遣いつつ、散歩するおっさんの話

冷えたビール。美味しいおつまみ。 汗をかくスイカと、氷が鳴る麦茶。 蝉時雨と木々の騒めき、入道雲。 数々ある日本の夏の風物詩。その一つである夏盆は、線香の香りと夏の終わりの気配…

雨宿り中に偶然出会った彼女の、学生時代の不思議の話。

11/24日に開催される東京文学フリマにて出品させていただきます 「あいすくりぃむ」の試し読みページです。 閑野　芽玄は、つまらない大学生活を淡々と送っていた。しかし彼の日常は…

可もなく不可もなく、なカロリアン子爵家の三女、ルーシェ。 彼女の婚約者は、見目麗しく社交界の華であるロナルド＝シュタイナーだ。 彼についている二つ名は「社交界の氷柱王子」。 …

大学を卒業したばかりの美咲は、将来ロックシンガーになるべく実家に居候をしていた。そろそろ両親もしびれを切らし始めたある時、美咲はあるアーティストと出会う。そのアーティストは近所の…

溶ける鉄鍋、踊るホウキ……とんでもないものが売られているという怪しげな噂が絶えない、奇妙な雑貨屋ラヴェル・ヴィアータ。 しかし、そこしか働き口がないと言われた家出少女リームは、意…

ーー ただいま、カクヨムコンテスト向けに長編ホラーを連載中です。 こちらもよろしくです。↓↓ ４０４　ーお探しのページが見つかりませんー https://kakuyomu.jp…

「なんでもほどほどが大事」といいますが、0や100より真ん中を目指す（そして維持する）方がはるかに難しくありませんか？　だったら現状から足し引きして50という丁度いい具合を目指す…

森の奥に住むソルティレージュはたいへん腕のいい魔法使い。純白の髪と赤い瞳の美青年だが、じつは彼の正体は一角の悪魔だった。優しい悪魔が森の魔法屋をおとずれる人々に幸福をもたらす、大…

先輩と私が海に逃げる話

煙草と、あの人と、紺青のライター。 曇天に溶ける煙草の煙が、涙の雨を降らせるまでの、少しのお話。

氷が溶けるまで待つと決めた。 じわじわすぎる長い長い時間。 あなたは大切な人を待っていられますか。