水葬の魚に溶ける

人魚の先輩をさらう女の子のお話。
ラストが切なすぎて切なすぎて……。
逃げ場がない状況なのに、どうしても幸せになって欲しい二人でした。
最後幸せそうに、楽しそうに笑う二人が美しかったです。
作中に出てくる赤と青の色の使い方も素敵です。
ぜひ最後まで読んでください！

「道端で、雀が死んでいた。」
そんな不穏な出だし。
主人公が帰宅します。
先輩が自宅にいて、
謎な描写がつづく。
徐々に状況がわかってくるのですけれど、
なかなかに奇妙な設定です。
主人公と先輩は海を目指すのですけれど
ラストは意外な展開に。

「人魚」
言葉にすると、想像するのは似たような生物を想像するだろう。
けど、きっと想像しているのとは違うのだ。

～作中の文章～
人魚と言っても足が尾ひれになっているわけではなくて、見た目は普通の人間と何ら変わりは無い。しかし人魚は人間には無い特別な性質を持っているんです。

……ね？
違いましたでしょう？

「人魚」の特徴は……。
①町に人魚は一人しかいない。
②現存する人魚が死ぬと、その後にこの町で生まれて来る赤子が人魚
③水に浸かると魚になる

そして……。
その魚の姿は一番「美しい」と言われている。

物語は「後輩」主人公の女の子が、ひょんなことから「先輩」と呼ばれる綺麗な人と共に過…続きを読む