「三月」を含む小説

空に浮かぶ３つの月。その本当の意味を知る人間は、今はもういない。 その月に異変の兆しが見えた時、科学派のコントロールタワーは制御不能になり、魔術派の象徴と呼ばれる大導士は世界の崩…

　――彼の始まりは、ささやかな願い。 　――誰もが求める『幸福』を願い、その中に身を置く事を望んだだけ。 　――しかし、世界は彼から『幸福』を奪い闘う事を強いた。 　――手…

俺は海水夏康（うみみずなつやす）。 俺と夏春茶緒里（なつはるさおり）さんが出会ったのは、小学校五年生の始業式の日。 ストレートヘア。白いワンピースに包まれた清楚な妖精。 それが夏…

　二〇一五年二月、パリを訪れた大学講師の有栖川哲人は、セーヌ河沿いの古書店で、紀元前一世紀にアレクサンドリア図書館から持ち出された巻子本を、古本屋の老店主から購入する。 　哲人は…

大学四年の三月、卒業も間近な頃であるがつけなきゃいけないケジメが僕らにはあった。 空の部室で、ゴングの鳴らないリングに上がる。 嫉妬と羨望は、この時になってもまだ拭い難いものがあ…

夢月七海様の自主企画 同題異話 -三月号-『彼方なるハッピーエンド』参加作品となります。

　令和五年三月九日は、佐藤冬人が最も〈おし〉ているアニソンシンガーの初めての武道館でのワンマン・ライヴの開催日で、冬人は、感染症のパンデミック下において、自分がアニソンのイヴェン…

毎月一短編　三月 寝ているときにたまに感じる、落下する感覚がテーマです。

　秋の涼しさが冬の寒々しさに変わろうとしている中、友達のいない私は一人、近所の公園に来ていた。学校からは歩いて通える距離なので、どこかのお店に寄り道するには遠回りしなければならな…

引っ越しの準備をしていると、六年前の日記帳を発見する。最初は律儀に書いていたがすぐに書くのをやめてしまったものだ。懐かしく中身を確認していると……

　……春の出発、その儀式ともいえるお部屋の整理に励む千佳。そこで出て来た一冊の日記帳。……その日記は、何を語るのか？

　数日ほど、彼女以外の作品も含めて、カクヨムに投稿された色々な小説を読んでいるうちに、カクヨムの生誕を記念した大きな企画が開催されていることに気付き、その中のひとつは、小説なんて…

2022年、三月。今年もKACの季節がやってきた。 本気で挑もうとすると、間違い無く日常生活に支障をきたすであろうこの過酷企画。それでも男は、参加することを選んだ。 高難易度の…

タイムマシンで幸せを手に入れようとする。 弱者を犠牲にして手に入れる。実に強欲である。 夢月七海さまの同題異話・三月号　　彼方なるハッピーエンドに参加させていただきました。…

自主企画「同題異話・三月号　　彼方なるハッピーエンド」参加　我が子もすなる異世界ファンタジーといふものを、オカンもしてみむとてするなり　人選ミスで選ばれた勇者に託された世界と未来…

【KAC20229　猫の手を借りた結果】 かつて日本中にその名を轟かせた名探偵も今やただのボケ中年と相成った。 覚え間違い、言い違い、固有名詞のみならず言葉も出てこない。 世間…

山奥にある三華村に課題調査のためやってきた三雲均。同じ大学に通う気になっている女性、野口三奈子と訪れるもアプローチができずにいた。 そんな中、山道が土砂崩れで寸断され三雲たちは…

三月下旬のある日。高校一年生の朝永朋靖（ともなが　ともやす）は大学生の姉、朋恵（ともえ）から自作マンガを読んで欲しいと頼まれ迷惑していた。朋恵を部屋から追い出そうとしている時に入…

　もうすぐ春休みを控えた高校二年生の俺、佐久間勝栄（さくましょうえい）には一つ大きな悩みがある。 　明日、三月十四日に迫ったホワイトデーという奴だ。勘違いしないで欲しいが、本命チ…

ある人が残したある日の手記。 KAC2022：お題『出会いと別れ』