概要
そこは、ネコミミたちのディストピア――
―――キャットイヤーウイルス。
感染するとメラニン色素を司る染色体の異常、及び猫の耳に類似した器官が頭部に生え死に至る病。人類がこのウイルスによって絶滅寸前まで追い込まれてから、半世紀以上の月日が流れていた。
かつて、感染者が隔離されていた第02箱庭地区トウキョウ。その中心部である常若島に越してきたソウタは、白猫を想わせる少女ハルと出逢う。彼女の歌う鎮魂歌を聴き、ソウタは亡くなった義母のことを思い出す。ハルもまた、自分の母親を失ったばかりだった。
同じ悲しみを共有する2人は歌によって絆を深めていき、惹かれあう――
だがソウタとハルの出会いは、この島に隠された世界の真実と悲しい過去の出来事を否応なしに呼び覚ましていく―――
マブ、13人の子供たち、灰猫と白