ネコミミクラスタ用語集

 

 ネコミミクラスタ02

 本作題名。

 ネコミミクラスタ。ネコミミを持つ集団の意。

 02 2人目の白猫。箱庭02地区東京の02。2度目の人生の2。



 

 キャットイヤーウイルス

 約半世紀前に人類を絶滅させかけたRNAウイルス。感染するとメラニン色素を司る染色体に異常及び、頭部に猫の耳を思わせるネコミミが生じ死に至る。

 扁桃体が強い刺激を受けると変異する性質を持ち、これによってケットシーが生じている。

 現在ではワクチンが作られ、箱庭地区内の人間がウイルスで死ぬことは、ほとんどない。箱庭地区の人間にネコミミが生えているのは、母体にいる間にワクチンを投与されるため。





 ネコミミ

 キャットイヤーウイルスにより生じる。猫の耳を思わせる器官。

 感情の起伏に応じて動く。本作ではネコミミで音を聞いているような描写が入るが、それはネコミミをデフォルメした表現。実際にネコミミで音を聞くことはできない。





 ケットシー(妖精猫)

 キャットイヤーウイルス感染者の中で、特殊な能力を持っている者たちの総称。

 強い願望を抱くことで扁桃体に刺激が加わり、体内のウイルスが変異することで感染者はケットシーとなる。

 そのためワクチンによって作られた免疫抗体が効かなくなり、ウイルスを抑える薬物を摂取しなければ、生きることができない。最終的にはウイルスにより能力を強化された部位に癌細胞ができ、死に至るケースが多い。

 ケットシーとなった者は有事の際、一般人と見分けがつくよう、ネコミミに目印の鈴をつけている。また、鈴の中にはウイルスを抑える丸薬が入っている。

 彼らが受ける差別が、箱庭の中では社会問題となっている。





 マブ

 キャットイヤーウイルスの研究のために文明崩壊以前に作られた研究組織。今では統治機構として各国の箱庭地区を統制し、箱庭内に秩序をもたらしている存在。

 名前の由来はケルト神話の女神マブから。





 チェンジリング(取り替え子)

 別称、マブの子供たち。

 マブが人工的に生み出している子供たち。常若島で治療を受けウイルス研究の礎となった、13人の子供たちの遺伝子をベースに造られている。子供たちは人口子宮で育てられ、引き取り手が現れるまでマブの施設で養育される。

 チェンジリングには首後ろにナンバリングの施された刺青がある。1から13の数字でどの子供の遺伝子がベースになっているのかが表示され、ハイフンあとに続く数字でどのような遺伝操作が施されたかが分かるようになっている。



 


 箱庭地区

 キャットイヤーウイルス感染者を隔離し治療するために作られた地区。

 周囲を長大な壁が覆っている。主に各国の首都に作られ、マブの支部が置かれた。文明が崩壊した今では、マブの統制下のもと秩序が維持されている。





 常若島

 箱庭02地区トウキョウの中心地となる人工島。東京湾に浮かび、大きさは直径数キロ。人口は1500人前後。。箱庭02地区を統括するマブの主要施設が置かれている。 

 ウイルス研究の礎となった、13人の子供たちが治療を受けていたことで、聖地として扱われている。島の西にはマブの施設が集まる常若町。頂きには子供たちを称える円卓公園。島の東側には墓所が広がっている。





 島の物語

 島で治療を受けていた13人の子供たちをモデルにした話。

 その昔、島では13匹の猫が仲良く暮らしていたが、病が流行り猫たちは順番に死んでいく。病は世界中に蔓延するが、島で唯一生き残っていた灰猫から薬が作られ、人々は救われるという話。

 灰猫の信仰を布教するために創られた物語であり、箱庭の子供たちは幼い頃からこの物語を繰り返し聴かされる。






 灰猫

 13人の子供たちのうち、唯一免疫抗体を持つことができた少年の呼び名。彼はチェンジリングである、主人公ソウタのオリジナルでもある。

 彼に宿るウイルスをもとにワクチンはつくられた。そのワクチンを他の被検体に投与したところ、ワクチン内のウイルスは変異し、変異していないキャットイヤーウイルスを駆逐するという共食い現象を引き起こす。この現象を利用して、箱庭内の人間はウイルスを克服したとされている。

 生き残った箱庭の人々は灰猫を救世主として祭り上げ、信仰の対象とした。





 白猫

 13人の子供たちのうち、島に12番目に来たとされる少女。島の物語の中では灰猫の恋人とされている。チェンジリングであるハルのオリジナル。




 鎮魂祭

 ウイルス研究の礎となった13人の子供と、ウイルスで亡くなった人々を弔うために円卓公園でおこなわれる音楽祭。4月、桜が満開の時期に開かれる。




 島の噂

 円卓公園で13人の子供たちが幽霊となって歌をうたっているという、噂。実際には、ハルの歌声を島民たちが幽霊が歌っているものだと勘違いし、広まった。




 300人委員会

 文明崩壊以前に、ロンドンに拠点を置いていたという秘密結社。マブを裏で創り上げた組織との説もあるが詳細は定かではない。

 箱庭地区の外では、キャットイヤーウイルスは300人委員会の選民思想から造られたナノマシンであり、人類を次の段階に発展させるためのものだという噂が広まっている。噂では選ばれた住民が箱庭に住むことができるらしい。





 喫茶店、猫妖精の森

 ソウタの家。ミミコの夫であるユウタの実家。もとは、ユウタの母親が経営していた喫茶店だが、彼女が死んでからは長らく閉店していた。

 今ではミミコが家事の傍ら店を切り盛りしている。お客の入はあまり良くなく、ミミコに相談をしにくる人間がたまに訪れるぐらい。





 サクラ・コノハ

 亡くなったハルの義母。死んだ娘の代わりに、ハルを養子として引き取り育てた。そのため、ハルと血の繋がりはない。

 ハルと同じくケットシーであり、能力も同じもの。生前は歌手として活躍しており、島では名の知れた歌い手だった。




 ドゥンの泉

 常若島の地下に広がる地底湖。チェンジリングたちを生み出す人工子宮が安置されている場所でもある。箱庭の住人の遺体は、このドゥンの泉に水葬されることが習わしとなっている。ドゥンの泉へは、チェンジリングたちの養育施設『マブの館』の中核部にある聖堂から行くことができる。

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