優しく、寂しく、愛おしい

主人公ソウタ達はキャットイヤーウイルスの感染者である故か、猫とも人ともつかないどこか曖昧な存在。そんな彼らの繊細な感情の機敏が、美しい島の景色や暖かな食事のシーンとともに丁寧に描き出されている。
そしてただ愛らしく、甘いだけの物語ではない。タグにディストピアとある通り、閉鎖された環境やケットシーに対する差別、旧文明の存在が物語にほの暗い影を落としている。十三人の子供達の謎もきになるところ。
こんなに深く切ないネコミミの物語は初めてです。

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