再臨の魔女

作者 森陰五十鈴

26

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★★ Very Good!!

貴族と平民、落ちこぼれと優等生、真面目なおっとり系と自由奔放な問題児。
なにもかもが真逆なふたりが友情を育む、温かな物語。

……だったのは序盤の話で、途中から急転直下の大事件が起こります。

ろくでもない大人たちの思惑に振り回され、運命に弄ばれてしまう少女たちの姿には胸が痛みます。
正直どうやってこれにオチがつくのか、まさかバッドエンドじゃないよね……?と「不憫」タグを横目にハラハラしながらも、ページをめくる手が止まりませんでした。

そう、そんな状況でもすらすらと読めてしまう心地のよい文章です。
主人公たちの活き活きとした動き、美しい魔法の描写、そして社会の残酷さ。そのどれもが無駄のない洗練された言葉選びで表現されています。
読んでいてすんなり頭に入ってくる、ゆえに、辛いシーンではそのしんどさがダイレクトに伝わってきて、思わず読み手もぐっと息を詰まらせてしまいます。

そんな本作、ハードな展開を含みながらもなんと75000字強という読みやすい文量でまとめられております。文字数まで無駄がない。

さらりと読み終えてしまうけれど、主人公たちの友情についてはしっかりギュッと凝縮されているので物足りなさはありません。

キャッチコピーのとおり、ふたりはお互いの存在が支えになる。なおかつ、きちんと自分で自分自身の価値を決められる。
今後またひどい大人に振り回されようとも(そればかりは避けようがないんだろうな……とも理解できるほど、そこまでの描写がきっちりしているのが切ないですが)、きっとふたりで前を向いて進んでいける。

ふたりがそれぞれ幸せを掴めますように。そしていつかは『魔女』も救われる日がくるといいな。
――そんなことを思わせてくれる、爽やかながら少し切なさもあるエンディングでした。


以上です。長々と失礼いたしました。
最後に作者さまへ、楽しい時間をありがとうございま… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

自主企画参加作品レビュー3作目。
雰囲気がノスタルジックなヨーロッパ風で美しく、文章力が高いので文章の節々に繊細な美が溶け込んでいます。
魔法を使うということで、そういう描写も長けています。魔女、私は好きです。
登場人物のキャラの良さも見所です。所々にコメディも効いています。
良作です!!
第1章の終わりまで読んだ感想です。

★★★ Excellent!!!

出会いから佳境、そして締めくくりまで終始二人の少女に焦点を当てながら物語が進行するため、背景や心情がぶれず、何より話がスッと頭に入ってくるのがとても好感触でした。
情景描写や言葉選びも物語の雰囲気を損なうことなく、少女二人の瑞々しさと、一方で危うさを孕む世界観を上手に表現なさっていると感じました。
これから先、再び試練が訪れたとしても、きっと乗り越えられる。彼女たちはそんな強さを得たことでしょう。
表題にあります、二人(三人)がどういう意味なのかは、読んでみてくださいませ。

素晴らしい物語をありがとうございました。

あと、最後に一つだけ言わせてください。子爵さん、うらやま。

★★★ Excellent!!!

魔法の制御を不得手とする落ちこぼれの少女、ユーフェミア。
優秀ではあるもののその出自や気質から問題児扱いされている少女、レイラ。

二人の出会いは、それぞれ鬱屈とした感情を抱えていた彼女達の運命を大きく変える。やがてその変化は、かつて国を守護した聖魔女へと繋がっていき――。

出会いによって、少しずつ二人がより良い方向に変化していく過程が微笑ましい。
そうして巻き起こる思いがけない事態。少女の存在の根底を揺るがす事実と虚しさ。その果てに舞い降りる聖魔女。
立ちはだかる困難から繰り広げられる友情の物語が清々しく、二人のこれからが楽しみになる物語でした。