あんたの泣いた顔、見たくなかったよ、という一文が、すっごい感動しました。この小説の価値を10倍にもひきあげているとおもいます。
梧桐さんは上手いなぁ。別作「右カウンター赤道より」で、すっかりファンになりました。と言いつつ、他の作品が未読で申し訳ない。色々と目移りするもので…。本作品と合わせて2つのサンプル数では大した事を言えませんが、少なくとも梧桐さんはスポーツ物が得意だ。読者の応援心を掻き立てるツボをわきまえている。若かりし青少年期の感覚を思い出したければ是非、一読して下さい。短編にはMAX2つが信条なんですが、星3つ付けました。
この長さによく収めたなあと感心するくらい、いくつもの要素が詰まっています。「二番目」というテーマの消化もさることながら、熱さ、青春、友情、勝利……どれも斬れ味鋭く、読み終えたときの満足感も見事!
剣道という競技、二人の女子高生の関係性と距離感、そして次鋒の意地。この文字数で全てを描ききった圧巻の作品。勢いと緊張感のある描写によって、剣道の知識が殆どなくとも一気に物語へと引き込まれてしまう。「負けない」ではなく「勝つ」。絶対に勝ち取るという弓子の気迫に圧倒されました。
次鋒にフォーカスしていて、武道の種類は違うが元次鋒として感涙
こういうゴトーさんの作品、待ってました!内に秘める熱いものが一気に吹き出す感じもすごくよくて、勢いがありました。アオハルなのもたまらない。剣道の試合、見たくなる読後でした!ぜひ読んでもらいたい作品!!
「2番目」というお題で書かれた作品。2番目といったら、団体戦の次鋒というのは、まあ言ってしまえば誰でも思いつくんじゃないでしょうか。私だって思いつくだけなら思いついた。その、誰でも思いつくであろう次鋒ネタを、極めてハイレベルに描ききったのが本作品です。剣道の団体戦という状況をしっかり説明しつつ、先鋒のエースと次鋒の主人公のキャラを、両者の関係性まで掘り下げた上で描き、そして迫力の試合シーン。かっこいいです。限られた文字数の中でしっかりと作り込まれた、女子高生の爽やかな青春モノ。堪能させていただきました。
剣道の試合、という舞台を元に2人の女子高生の関係性を描いた本作。場面ごとに変化していく主人公の心境が、迫力ある試合描写により頭を殴りつけるかのように伝わってくる。友情、という2文字に収まり切らない主人公の思いの猛りが、彼女を高みへと押し上げる。その一刀は阿修羅の如し、四天を勝利へ導く剣なり。
剣道はまったく知らないのですが、迫力ある試合描写に引き込まれました。そして伝わってくる彼女の熱い想い。悪い流れを断ち切ろうとする、それだけでなく意地とプライドとも言える力強い意思が、文句なしにかっこよかったです。
勝負は始めが肝心。ではそれを逃したら?――次の奴が流れを変えるんだよ! って内容の話です。主人公の「やってやるぞ! 次鋒だからってナめんなよ!」な気迫に声援を送りたくなります。
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