ラブコメディには遅すぎる

世界を書き換える力を持つ女、未神蒼（みかみあお）。
俺はこの三年間、こいつと二人で邪悪を滅ぼしたり世界を救ったりのライトノベルのような日常を過ごしていた。
たったひとつ、ラブコメにならなかったこと以外は。
迎えた卒業式、未神蒼は卒業証書を破って叫ぶ。今日で卒業なのだから言うことがあるだろう、と。
よく分からないまま謝罪する俺。憤る親友。
「ラブコメには遅すぎた、というわけだ」
どうやら選択を間違えたらしい。彼女は翼を広げ、世界を書き換えた。

翌朝。俺達は高校四年生なる謎の身分になっていた。後ろの席で意味ありげに笑う未神。
遅すぎたラブコメディがいま始まる……