第43話 奇跡・・・
僕の試験対策としてフェルーナの女子5人による家庭教師?が始まって2日目、薫ちゃんがウチに来ていた・・・
「え、え~と、薫ちゃん、今日は試験勉強のためなんだから、身体の相性とかはまた別の日にしようよ、ねッ?」
僕は薫ちゃんに迫られ、少しづつズルズル後退しつつ、なんとか打開策をと考えるんだけど、日ごろから女子との接点が少ないことが災いし、イイアイデアが浮かばない・・
(く~! こんなときどうすりゃいいんだよっ! 誰でもいい、助けて~!)
僕に迫りながら薫ちゃんは服を脱ぎだしちゃった。
「か、薫ちゃん! なんで服脱いでるのかな~?? 暑いってことはないよね~?」
「だって~、これからユウト君と身体の相性を確かめるんだから、服は邪魔でしょ~?」
「い、いや、邪魔なんてことない、むしろ着ててほしいくらいだよッ!」
ベッドまであと50センチと追い詰められたとき、どこかで誰かが呼んでるような声がしてるのに気づいた。
「ん? 誰呼んでない?」
「え~、だれもいないわよ~、ここにいるのはわたしとユウト君だけよ~」
『お~い!気づけ~ッ!』
「いや、誰か呼んでるよ、ほら?」
『薫ちゃ~ん!ユウト君を襲っちゃダメ~ッ!』
やっと薫ちゃんも誰かが呼んでることに気づいたようだ。
「誰ッ? どこにいるのよッ? 出てきなさいよっ!?」
『ここよッここッ! 薫ちゃんのスマホッ!』
「スマホ?」
『そう! スマホよッ!』
薫ちゃんはすぐにポケットに手を入れそのにあった自身のスマホを信じられないって眼でにらんでみせた。
「な、なんでいじってないのに繋がってるのッ?!」
薫ちゃんが手に取ったそのスマホはいじってもいないのになんとイズミちゃんと通話状態になっていた、しかもビデオ通話にッ!
『なんでって、あなたのほうから掛かってきたのよ、薫!』
「わたしのほうから?」
『そう!』
「わたしは掛けてない!」
『でも、そっちから着信したのは確かなの!』
ふたりの話を聞いていて僕は状況がなんとなくだけど判ってきた、僕の推測はこうだ、
僕に迫ってきた薫ちゃんの態勢がたまたま、ポケットの中のスマホの画面のどこかに接触してビデオ通話が起動となった・・・
普通なら登録された指紋で認証されなければ動くはずないスマホが起動し、さらにそれでイズミちゃんに繋がっただなんてまさに奇跡に奇跡が重なった瞬間! 僕はマジに神様ってホントにいるのかもって思えていた・・・
「イズミッ! あなたわたしのスマホに細工でもしたんでしょっ!?!」
『そんなこと出来るはずないでしょ! だいたい、あなたのスマホに触ったことすらないジャなのよッ!』
「そういえば、そうよね・・じゃあんなんでビデオ通話出来ちゃったのかしら??」
操作なしで通話できてる状況に「?」を連発?してる薫ちゃんに、僕は自分の推論を話してみた。
すると、微妙に不信感は残ってるようだけど、薫ちゃんは僕の推論を受け入れて・・・
「じゃあ、これはたまたまとか偶然が重なった産物ってこと?」
「そう! 奇跡みたいなモノだよッ! 判ってくれてよかった~」
今回の奇跡には僕も正直驚いている、それにしても僕って妙な強運を持っているのかもしれないな・・・
(僕ってなにか持ってるのかも?・・)
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