第7話 クラスの友達、一樹

 僕、ユウトがいまイチバン気になってるのがフェルーナというコーヒーショップだ、もっと正確に言うとフェルーナで働いてる5人のウェイトレスの女の子たちだ・・・

 こう言うと、高校生が何言ってんだって怒られそうだけど、そこは健康そのものの男子高校生なので許してほしいところ。


 登校せずにフェルーナに行った日の夜・・・

>ユウトの部屋

「いやぁ~、今日はラッキーだったなぁ~、A子の名前がイズミちゃんってことが判ったのは大収穫! 他の子たちの名前も早く知りたいな~・・」

 現在名前の判ってる子はふたり、A子が「イズミ」D子がハーフで「タミorタミー」、このふたりだけ。

 まぁ冷静に考えればフェルーナにいる女の子たちの名前が判ったからと言ってなにも変わらない、でもそこにいる女の子の名前を知ってるか知らないかでは、店に行った時の僕の心の満足度が大きく変わるおうな気がする。

「他の子の名前は何ていうのかなぁ~」

 その夜、僕は他の子の名前のことばかり考えて寝付けなかった・・・


>翌日の朝

ピロピロピン、ピロピロピン

バンッ!<目覚ましをぶったたき気味に止めた音

「あぁ~、眠むすぎて身体が起きてくれないよ~」

 昨夜、ずっとフェルーナのウェイトレスの名前のことばかり考えてたせいでなかなか寝付けず睡眠不足の身体で早朝起きるのはキツ過ぎるようだ。

「で・も・・今日は登校しないと・・・」

ドシャッ! <ベッドから落ちるようにして起床する音


 なかなか意識がシャキっとしない中、僕はシャワーを浴び制服を着て、朝食代わりのエナジーゼリーを口に咥えながら家を出た・・・


>高校の教室

 僕はいつにも増して、授業に身が入らない、なぜかフェルーナの女子の名前のことばかり考えてる・・

「おい、ユウト、どうした? 毎度ボ~ッとしてるけど、今日はいつも以上にボ~ッとしてるみたいだぞ~、へへへ~」

 こう声を掛けてきたのはまぁまぁ仲のいい和樹だった、この一樹とは中学校のときに通っていた学習塾からの腐れ縁? しかし、気のイイところもあってそれからズルズル、気が付くと同じ高校へ通うようになっていた・・

「あぁ、ちょっと気になってることがあってな」

「気になってること? なんだよ? 聞かせろよ」

「女子の名前ってどんなのがイイ?」

 僕は自分でも何言ってるのか意味わから~んって感じの質問を和樹に投げたんだけど、そこはおバカな和樹、普通に答えを返してきた。

「あ~ん、女子の名前~? いろいろあんじゃね? オレの好みは沙紀ちゃんとか、亜美ちゃんとかかな~、でも何で?」

「いや、ちょっとな・・」

「あっ、もしかして好きな女子ができたとかかぁ~?」

「そういうんじゃなくて、最近・・」

 僕はそこまで言いかけて、急にフェルーナのことを和樹に言ってはいけないように思えて言葉を濁した・・

「最近・・他のクラスの女子が気になってな、アハハハ~」

 僕はとっさに適当なことを作って和樹に話した、すると和樹は全く疑うこともなく・・

「そうかぁ~、ユウトもやっと女子に目覚めたかぁ~、いいぞ、それでこそ健康体男子だッ! アハハハ~」

 さすがおバカ和樹、誤魔化すのもチョロかった^^

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