第12話 フェルーナの中の人に・・
夢にタミーちゃんが出てきたことが気になって、タミーちゃんのいるはずのフェルーナ様子を見てるところを夢に出てきた当人であるタミーちゃんに見つかり、いろいろ疑われてしまった僕、しかしいろいろ弁明した甲斐もあってか、
不審者的疑いは晴れたけど、その代わりに店でバイトすうように言われ、渋々?バイトをするという条件を受け入れた・・・
3日後・・・
僕のフェルーナでのバイトが始まった、と言っても一応僕は高校生なのでバイトに入るのは夕方4時から閉店までとなっている。
カランカラン~ < 店のドアを開けた音(扉が開いたことが判るように木簡が鳴るようになっている)
「おはようございま~す、今日からよろしくお願いします」
他の5人の女子達は僕は店側の入り口から入店しているんだけど、なぜか僕はイズミちゃんの指示で店の入り口から出入りをするように言われてるから、今日も店側の入り口から入った。
「あぁ、おはよう~、ユウトく~ん、今日からバイトよろしくね、来てそうそう悪いんだけど、裏のコーヒー豆の搬入お願~い」
「あぁ、は~い」
コーヒー豆は10キロほどの袋に入って店に納入される、それを僕が店内の所定の場所に搬入するのだけど、これがまぁまぁの力仕事、なので、あたりまえのように店で唯一の男子である僕にまわされる感じ・・
バイトに入る前、2日かけて僕に任せる予定の仕事についてイズミちゃんから一通り説明と実際の練習を受けていたので今日は早速仕事に入ることができた
(これで僕もフェルーナの中の人ってことか・・)
「よいしょ、よっこいしょっと、ふぅ~、コーヒー豆って重たいよなぁ~」
「な~に、ブツブツいってんのよ~?」
僕が豆の袋を動かし終わって、一息ついてるところに出勤してきたのは夢の一件以来微妙な関係のタミーちゃんだった・・・
「え? あぁ、タミーちゃん、おはよう、今日はこれから仕事に入るの?」
「えぇ、あんたも来たばかりでしょ? さぼったりしないでしっかり働きなさいよ」
見た目はハーフで日本人とは違うキレイさと可愛さがイイ感じにミックスされてるタミーちゃんなんだけど、夢の一件のせいで僕への風当りは店の女子5人のうちで一番キツイ。
バタン <タミーが勝手口から店に入った音
「あぁ~あ、あの夢さえなければタミーちゃんとも仲良くできてるはずなんだけどなぁ・・どうにか機嫌良くしてもらえないかなぁ・・」
その後も僕は淡々と店の裏や厨房で雑用的な仕事をこなし、気が付くと時間は夜の8時近くになっている・・・
このフェルーナの営業時間は朝10時から夜8時まで、だから今日もそろそろ閉店の時間になる。
「今夜はお客さんもいないし、そろそろ閉店の準備にはいりましょう」
イズミちゃんがこう言ったのを合図にタミーちゃんも、
「そうね、お客もいないし、ちょっと早めだけど閉店ね」
ここ3日、バイトの練習とかしてるうちに判ったことだけど、店の運営や仕事の割り振り/食材の仕入れなど、運営から経営、人事などはほぼイズミちゃんが受け持ってるようだ、その理由はイズミちゃんが女子5人のうちで一番年上だからみたい、まぁ年上と言ってもたった1才だけみたいだけど・・
(女子の歳はハッキリ聞けないけど、話の端々からだいたいの歳が伺える)
閉店ということで僕も厨房の掃除とかを手伝ったり、フロアの掃除をし始めると、イズミちゃんが・・
「ウン! やっぱり男子がひとり入るといろいろ手伝ってもらえるし、店の雰囲気も変わった感じがしてイイわね、これなら明日の仕込みにも早く入れそう!」
と言ってニコニコ顔、そんなイズミちゃんをみて、妙なきっかけでバイトに入った僕だけど、僕がいることが店やみんなの役に立ってるなら結果オーライって思えてきた。
(明日も頑張ろッ!)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます