第40話 忘れてた定期試験!
12月も数日過ぎた、この時期になるとどこの高校でも定期試験という頭の痛いイベントがある、今年もそれが近づいていた。
フェルーナのクリスマス準備に忙殺されている僕はそんな定期試験のことすらすっかり忘れていた、そこへ和樹からスマホに着信があった。
ブブブ・・ブブブ・・・
「ん? 電話? 誰だ?」
スマホの画面を見ると、「アホ和樹」と表示されてる。
「なんだ和樹か~」
僕は一瞬出るか出ないか迷ったけど・・
「はいよ~、なんだよ和樹? 今バイト中で忙しいんだけど・・」
「なんだよ、せっかく心配して電話してやったのに、それはないだろ~よ」
「心配って何が?」
「おまえ、来週試験があるの忘れてないか?」
和樹から試験というワードを聞くまで、僕は完全に試験を忘れていた。
「アッ! そうだ、来週試験じゃんよッ! どうする~? なにもしてないぞ」
僕の顔や首に瞬時に冷や汗が吹き出した。
「やっぱりか、おまえバイトしか頭に無いみたいだったし、心配してたんだぞ」
「そうだったのか、すまん和樹・・」
僕は試験対策をほとんどしてない、こんなことは今までなかったので、マジに焦っている・・
「でもまだ来週まで少し時間があるだろ」
「うん、そうだな、明日から少し集中して試験対策をするよ」
「そうしろ、おまえはオレと違って、成績イイんだから、ちょっと勉強すれば試験なんて余裕っしょ?」
「まぁ、それほどじゃないけどな・・」
「まぁ、頑張れ、オレも最善を尽くす!」
プツッ
ここで通話を切った。
僕は自分で言うのもなんだけど、学校の成績は時々学年トップ10に食い込みむくらいのレベル、でも、試験対策をしてないというのは初めてなので大いに焦りを感じてる。
そんな精神状態だったからか、倉庫で放心状態になっていた、そんな僕をイズミちゃんが見つけて・・
「ん? ユウトく~ん、どうしちゃったのかな~? 手が動いてないようだけど・・」
「えっ? あぁ、ちょっと考え事しちゃってた・・」
「考え事? 珍しいわね、何を考えてたのかしら?」
僕はどう答えていいのか分からず、ちょっと言葉に詰まってしまったけど、そんな僕のことを察したイズミちゃんは・・
「ん~? 話しづらいことみたいだけど、わたし達に話してくれたら、何か力になれるかもしれないわよ? どうかしら?」
こう言われて僕は、まぁ試験のことを秘密にする理由はないと判断、イズミちゃんに試験のことを話した。
「あらあら大事な試験を忘れちゃったか~、でも試験を忘れちゃうほどバイトに集中してくれてたなんて嬉しいのだけど、ユウト君は高校生だから勉強が第一だと思うのよね」
「まぁ、それはそうなんだけど・・」
イズミちゃんはちょっと考えて・・
「じゃあ、わたし達がユウト君の試験対策をサポートしてあげるわ、まぁ全教科は難しいかもしれないんだんけど、5人もいるんだからそこそこのことはできるはずよ、どうかしら?」
「えっ?! サポート?」
イズミちゃんから意外な提案をされて、僕はどう返事をしたらいいのか判らずちょっと固まってしまった。
「どう? 固まっちゃったの? わたし達も一応大学生だし、そこそこハイレベルの大学に在籍してるからユウト君の勉強のサポートくらいできるはずなんだけどね、ウフッ」
僕はちょっと考えた、今まで勉強はほとんど自分のやり方ですすめてきた、だからイズミちゃん達のサポートと言われてもピンとこない・・・
(でも、今回は時間も無いし、緊急事態だ・・)
「イズミちゃんホントにいいの?」
「えぇ、わたしは協力するわ、っていうか協力させてほしいなッ! ウフッ」
「じゃあ、よろしくお願いします」
「はい! じゃあ、わたしはどの科目を担当したらいいかしら? 得意は数学と物理だけど、どう?」
「あぁ、その2教科でお願い」
「了解! それじゃ、他の科目はみんなに聞いてみるわね」
試験対策をイズミちゃんたちに助けてもえらえることになったのはラッキーなんだけど、ホントに勉強になるんろうか?・・・変な方向にならなきゃいいけど・・・
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