第一章 転移

第0話 転移前

ある日の事常田高校では、いつも通りの授業風景が在った。


「それでは、ここはこうなるがこの部分はこう訳すのが正解だ」


今は絶賛英語の勉強の真っ最中だが、俺は若干眠たげな眼を擦りながらこの退屈な授業を受けていた。


その授業も終わって皆が待っている休憩時間になると皆ワイワイ喋りながら弁当を出して、俺もお母さんが作ってくれた弁当を出して食べ始める事にした。


「やぁ、君は相変わらず英語の授業中は眠たそうにするなぁそんなんじゃ内申点も期待できないんじゃないか?」


「...おい現実を見せてくるのは止めろよな堤俺だって起きていたいさ...でも英語の授業だけは何言ってるか分かんないし詰まらないんだよって言うか日本人なら日本語話せるだけで良いだろなのに何で英語まで学ぶ必要があるんだよ」


「それ...もう耳にタコが出来る程聞いたよ」


「だってそうじゃんそもそも英語を学び始めたのも第二次世界大戦後に日本がアメリカに一時占領されていた名残だろどうして何時までそんな昔の事に拘っているんだが」


「おい...その陰謀論?も何度も聞いたぞお前...どんだけ英語が嫌いなんだよ」


「あぁなんか怒ったらお腹空いたし早く弁当喰おうぜ」


「そうだな」


永井堤・クラスメイトの中でも普通に仲が良い人間で、俺の英語嫌いの愚痴にも悪い顔をせずに付き合ってくれる良い奴だ。


そんな彼と話し終わって、いつも通り一人で弁当を食べながら携帯を弄っていたら唐突に床から光...もっと具体的に言うと魔法陣が現れて、一瞬の光と共に俺らクラスの全員は消える事になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る