第4話 魔城ヴァルドヴェルド

「私の名前はこの国の第6騎士団の団長しているアウグレスト・グレルシアだ。よろしく頼むそれで、早速で悪いがお前たちには戦闘訓練を受けてもらう」


いかにも高い地位にいますよと言わんばかりの凛々しさを醸し出した。女騎士は、広場に集められた俺たちの前でそう宣言した。


まぁ当然かと思った。何せ俺以外のクラスメイトはチートなステータスをしていても学生だから、経験の為にも戦闘訓練は必須かと思っていたが...。


「あのすみません。俺はどうなるんですか?」


そう俺が素直に質問すると、女騎士...アウグレストさんは、若干困ったような顔をしながら俺の質問に答えていた。


「あぁ貴様が宮廷魔法使い様曰く不明者と称された者か、確かに能力値は低いが何やら不明箇所があるな...まぁそれを私が考える必要は無い貴様は、宮廷魔法使いラージェル様の管轄となった。もうすぐ来るはずだ暫く待っていろ」


「分かりました。それと有難うございます」


「うむ、礼を言えるのは良い事だ。おっとそんな事を話していたら来たな」


そうアウグレストさんは言うが、どこにも姿が無くまさか嘘ついたのかと思って見てみると指を指してから、「そこを見ていろ」と言って来た。


そうすうると次の瞬間地面に魔法陣が浮かび上がりそこから白銀の髪をたなびかせて、白銀のローブを着ている人としか認識できない...ラージェルさんと言う恐らくこの世界に俺たちを連れてきた元凶が来た。


「それじゃあよろしく頼みますラージェル宮廷魔法使い殿」


「あぁ頼まれた。それに、こいつは結構面白くなりそうなスキルを持っているからなそれと今ついでに言っておくが、戦闘訓練はあと2時間で終わりその後はこの世界での常識を学んでもらう座学がる心してかかるように」


そう言うとラージェルさんは俺の腕を掴んで地面に魔法陣を描いて、どこか知らぬ場所に転移した。


「あの、ラージェル...様?」


そう俺がおどおどしながら聞いてみると首を横に振って、「様は要らない貴方は私を敬う様な立場には居ない」と言って来た。


「それじゃあラージェルさん...で良いですかね?それはそうと、ここって一体どこですか?」


「まぁそれでいい、それとこの場所が何処か...かその前に簡単な座学だ。」


そうして彼女は大きな地図を取り出してこの国の周辺地域の事に関して簡単に説明してくれた。


「先ずこの大陸の出っ張った先にある小さな半島が我らがさっきまでいた国ガラリア王国だ。それと今私たちがいる場所は、この大陸の中央にある多くの国に接して大陸の約4分の1にも及ぶ広大な森ジェルベル大森林の地下に存在する原理を追い求めし魔法使いの拠点である魔城ヴァルドヴェルドである」


そうして次の瞬間出されたホログラムの様な何かからは、地下とも思えぬほどに広大で天井と思われる部分には星の輝きを映し出したかのような光が存在しここは地上なのでは無いかと勘違いしてしまう程だった。


「っででもこんなに広大な穴があるなら地上は崩落してるんじゃ...?」


「あぁいい視点だ。だがそれには及ばない我らが魔法使いの総力を結集すれば1000年間この場所を安定させる事も可能だ。」


「それならどうして俺なんかをこんな場所に連れてきたんですか?」


素直な疑問だった。なにせステータスは最弱固有スキル??以外にスキルも無い俺は明確にクラスメイトの中で最弱だったのだ。そんな俺をここに連れてきた理由はなんなのかと思うのも無理は無い。


「あぁそうだったなそれをすっかり忘れていたそれじゃあこの玉に触れてくれたまえこれはあの城に合った鑑定玉の上位互換恐らくは貴様の能力も写す筈だ。」


名前 幸田哲郎(■■■■・■■■■■■■)

種族 人間(■■)

職業 無職(■■)


命力 10/10

体力 10/10

魔力 10/10


攻撃力 10

防御力 10

速度力 10

魔法力 10

抵抗力 10


固有スキル

簒奪

コモンスキル

無し


「ふむ...やはりスキルの方は写ったが、種族と職業それに名前の方は潰れてるか」


「あの...なんで名前と種族それに職業欄が潰れてるんだ?」


「あぁそれについては予測立てているから説明しよう、その原因とは、これらがこの世界に存在していないからだ。」


「存在していない?」


「あぁこの世界においてお前の欄の情報が存在していない故に書かれていないのだ。まぁこれを確認するにはお前自身がその情報の記憶を知るしか無いな」


「そうか...それで俺はこれからどうすれば良いんだ?」


「あぁお前はこれからこの簒奪のスキルを活用できるようになってもらう...がまぁ取りあえずは基礎力を伸ばす事だ。」


「基礎力?ってなんだ?」


「あぁそれも説明しなければならないな基礎力とは、自身の生命力を現した命力、自身の体力を現した体力、最後に自身の魔力量を現した魔力の3つが基礎力と言える。

お前はその基礎力が低すぎるそのままではスキルに飲まれて、自壊する可能性があるからなそれで先ずは基礎力を伸ばす事になったのだ。

ここまでで質問は有るか?」


「いや無いそれじゃあどんな訓練から始めるんだ?」


「先ずは命力を伸ばす訓練からだが、死んで生き返ってを繰り替えす特訓になる」


「えっ...聞き間違いか?今死んで生き返るって聞いた気がしたんだが?そんなゲームみたいな事が出来るのか?」


「当然だぞ、熟練の魔法使いは自己蘇生すら出来るからな私に出来ない道理は無いそれに痛みも無く一瞬で終わらせよう<告死>」


その言葉を聞いた途端に俺の意識は眠った様に消え失せて、それから直ぐ後に起こされた。


「おぉ起きたか?特に何も無かっただろう?」


「あぁ眠ったようだったけど、これ以外の特訓法は無いのか?」


「あるにはあるが、これが一番手っ取り早いんだぞ?これ以外の特訓となると、不老化と精停化の魔法を掛けた後100年くらい放置するか、命の種子と言う一個口に含むだけで、木に体が支配されて、物言わぬ樹木になるかの2択だぞ?」


「あっ死亡復活の特訓でお願いします」


「分かれば宜しいまぁ万が一にも失敗は無い気楽に死ね<告死>」


それから何回も死んだ。確かに死んだ瞬間は痛みもショックも無いが着実に精神は削られていった。死んでからの復活と言うこれまで無かった現象や精神的疲労によしぐったりとしていた。


「ふむ...まだ5回目だが、今日はもう終いにしようこれ以上はお前の精神が持たぬからな」


「あっありがとうございます」


その瞬間死んだ時とは違って、深い眠りに就いた。




解説コーナー

<告死>

本来はそれ専門の魔法使いが何日も儀式や詠唱を交えて、発動させる大魔法の域に数えられる魔法だが、魔城ヴァルドヴェルドに所属している魔法使いはこの域の魔法は普通に放てる。

効果・対象に死を宣告すると言う効果で、即死耐性が無い存在だったら無抵抗で殺せて、即死耐性を持っていたとしても対象が納得すると効果が出る(その場合は即死耐性は無効化される)



あとがき

今回から解説コーナーと言うのを作ってみました。作品中でこれの解説は出しとこうと思った物を書いていくコーナーです。

多分本編では説明しないかも知れない物を出していきます。

☆や♡フォローは作品を投稿する上で、モチベ上昇につながるのでよろしくお願いいたします。

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