第7話 病気と苦痛
スキルの爪を発動してみると途端に両手の爪が伸びて、心なしか固くなっており武器になりそうだと思った。それでも今のままじゃこのスキルはロクに使えないなと思って、暫く1層をメインで探索していく事にして、ベビーラットからスキルを簒奪していく事にしていた。
《スキル<弱毒攻撃Lv1>を簒奪しました》
《スキル<弱毒攻撃Lv1>を簒奪した事によりスキル<弱毒攻撃Lv1>は<弱毒攻撃Lv2>に上昇しました》
それからも何度か試してみたけど、これ以上のスキルをベビー種は取得してなくて、これ以上強く成るにはラットを狩らないと行けないなと思い恐る恐る2層を探索していく。
そうしたらすぐにラットが現れて、俺は咄嗟にスキルレベル4に上がった弱毒攻撃と爪を使って、攻撃をしたら意外と呆気ない...何て事も無く若干毒ダメージが入ってる感じが無い事も無いが、多分抵抗されてるだろうなと思いながら、爪を使って引っ掻いていく。しかし俺が爪による攻撃をしている間にもラットは俺の手や足に噛みついて来て、その痛みに耐えながら、俺は何度も爪を振るった。
そうしてかなりの時間が経ってからラットの頭に触れて、スキルの簒奪に入る
《スキル<毒攻撃Lv1>を簒奪しました》
《スキル<毒攻撃Lv1>を簒奪した事によりスキル<弱毒攻撃Lv4>はスキル<毒攻撃Lv1>に統合されました》
《スキル<毒攻撃Lv1>が<毒攻撃Lv2>に上昇しました》
そうして弱毒攻撃とか言う何時使うんだ?と言いたくなる程に弱いスキルが統合されて多分使えるようになったと思うから早速試してみる事にする。
ラット種に試してみたところ中々に強力な毒らしくて、直ぐに絶命とは行かなかったが、ある程度苦しんで此方に向かってくるような感じも見せずに苦しんで死んでいった。
「これかなり強力な武器になったな」
俺はそのままそのラット種に手をかざして、簒奪を発動させると、スキルは暗視のスキルを簒奪して、これで暗視のスキルはレベル5に上昇して、この迷宮内がかなり見えやすくなった。
それからも毒攻撃を使ってラットを倒していくが、牙と言う噛みつく攻撃を強化する感じのスキル以外に目ぼしいスキルは無く第3層への階段を見つけたあたりで若干迷っていた。
それから若干行くか行くまいか迷ったが、覚悟を決めて覗いてみる事にした。
ラージェル
「何時まで大丈夫なんだ?」
魔城ヴァルドヴェルドの円卓に集められたのはこの城で研究をしている世間一般には賢者と呼ばれる存在達の一人が零した。
「この城は一体何時まで持つのかそれが問題だ。無論お前もその場合は死ぬことになるであろうがどうするつもりだ?召喚」
召喚...それは他世界から特定の人物・物質すら厳選して呼び出せる私に対して与えられた称号だった。
「うん...私もただ無為に生きていると言う事は無いよ。独自に召喚者の一人を育成している」
「そいつは使えるのか?我らより強くなる可能性はどれ程存在する?」「確かに召喚者は強力な職業・スキルを持って召喚されるが、それでもこの世界の常識を知らぬ子であろう?そんな子らがこの世界の常識に染まって、強くなるまでここは残れるかと言う話をしている」
まぁ確かにその通りだ。地球と言うことから召喚した延べ28名の高校生とやらが本当にこの世界に適応して、殺し殺されの世界を生き残る確率など実際の所かなり低い、あの子以外の存在は未だこの世界の未知と自身の力に酔っているようだし...。
「私自身もそれらが活用できるなどこれっぽっちも思っていません」
そう言うと賢者らはしきりに何かを考え始めた。当然だ魔神の弟子である私の発言何か裏があると思い考察するのが、賢者らの趣味と言えるのだから
「なるほど...もしやその育成をしていると言う」
そこで私は若干口角が上がりニヤリと笑った。
「えぇその通り奴らには正直なと所あまり期待していないんですよ。まぁこの世界の常識に染まらないとは言っていませんが、ですが私の本命は彼です」
「そうですか...召喚が言うのなら間違いは無いのでしょうね。それはそうとその本命は今何しておられるので?」
「あぁ彼ならラットの迷宮の3階層に行ってますね」
「なるほど我らに出来る事なら協力する。故に悪魔が来るまで最低限の出来にはしておけよ我らに残された時間は少ないこの魔城ヴァルドヴェルドの後継を決めなくてはならない」
「えぇ分かっていますよ。ですが一つ預言を彼が確実に至るでしょうね」
それから恐る恐る第3階層に行くと、すぐさまこれまでのラットよりも一回り大きい生物が飛び出してきた。俺は即座に爪のスキルを毒攻撃のスキルを活用して攻撃を1発だ当てたが、どうやら毒が効いているらしく若干苦しんでいた。
だけれどもその程度の毒効かんと言わんばかりに苦しんでいたはずが、即座にこっちに向かって来た。ステータスが低い俺はこのラットの攻撃を回避する事も即座に頭を掴んでスキルを簒奪する事も出来ずに普通にクロスした腕に攻撃が当たった。
ミシリと音を立てた骨の事を無視して、尚も毒を込めていったが、ちゃんと効いている様子は無くこの際と、爪のスキルだけで立ち向かう事も無理と断定しいて、その毛皮で覆われた胴体に向かって思いっきり噛みついて、その上で爪による攻撃や毒攻撃を暫く叩き込むことで、何とか倒せた。
《スキル<保菌Lv1>を簒奪しました》
「うん?病原菌!もしかしてこの個体って病気持ってたの?って...」
それから俺は直ぐに、手と膝を地面に付いて多量の血を吐いてしまった。病気耐性のスキルは若干レアなのか俺のガチャ運が悪いのか分からないが、病気耐性は最初と分からずにレベル1のままだったから俺はこれを防ぐ術を持っていなかった。
目元が霞んで、血で濡れた手で即座に鞄の中を物色して、行く前に教えられた結界の魔法具何とかぎりぎりで見つけてそれを起動する。その中でじっと痛みや吐血がマシになるのを待っていた。
《スキル<病気耐性Lv1>が<病気耐性Lv2>に上昇しました》
《スキル<回復Lv1>が<回復Lv2>に上昇しました》
《スキル<痛覚耐性Lv1>を習得しました》
《スキル<吐血耐性Lv1>を習得しました》
……………………
それから一昼夜経って何とか病気が収まって立て直せるようになった。と言うかあんな苦しみを味わうとは思わなかった。もう二度と病気になんてなりたくないよな。それに暫く寝て起きてとかを繰り返していたからか、かなりお腹が減ってるしここらでご飯にしようかな?
そう思いながら持たされた鞄の中を見てから携帯食料を見つけると口に放り込んで、一緒に水で流し込んだ。とにかく今はお腹を満たす事を優先で、味とかに構っている暇なんて無かったからだ。
それからお腹もいっぱいになって、探索をつづけるかなぁとか思っていたころにラージェルさんが帰って来て、「そろそろ帰ろうかと言いだした」
「ラージェルさん?と言うか俺が病気になってる時に何でこんな苦しんでる時に何してたんだ?」
「あぁそれは君を鍛えるためだ。何時までも私のプランニングと保護下でとも言えないからね」
そう言うラージェルさんの顔は見えないけれど、何やら悲痛な物が感じられた。
それから俺はラージェルさんと魔城に転移してから、一先ずこの探索でどのくらい強化されたのか鑑定してみる事にした。
あとがき
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