第17話 冒険者ギルド

町に出てから俺は、取りあえずラージェルさんが言っていたギルドに行ってみる事にした。まぁ情報収集と言う目的で、そこ以外に情報がありそうな所を知らないからだ。まぁそれ以外にも異世界あるある冒険者ギルドにワクワクしているってのもある。


「いらっしゃいませ~当ギルドに何の御用ですか?」


その声を掛けられてから俺はそう言えば翻訳出来ていたんだなと思いながら俺も返事する。


「今日は登録をしに来た。」


「了解いたしました。それでは登録費として1000リールいただきますが宜しいですか?」


「あぁ~金無いんだが…あっそうだこれを売れるか?」


そうして取り出したのは迷宮の宝箱から出てきた鉄の剣を5本くらい取り出した。


「えぇこの量でしたら1500リールですねそれでは此方を登録費として、残り500リールをお渡しいたしますね。

それと、鑑定玉に手を置いてくださいこれで貴方の能力値をお計りいたします」


そうして鑑定玉に出てきたのは変化可能な魔物の欄以外の俺のステータスだった。これを見た途端に受付嬢の人は驚きと共に驚愕した感じで、正に声も出ないと言った感じが正しいなと思いながら次のアクションを待っていると、受付嬢は此方に起こし下さいと言いながら案内をしてきたから素直にそれに従った。


「あぁ貴方様はもしや異界からの勇者様でしたか、それで当ギルドに何の御用でしょうか?他の勇者様方は隣町に居られますが馬車を出しましょうか?」


「いや…必要無いと言うか俺はそれらの勇者とは完全に別の勢力だ。まぁハッキリ言うなら先日来たというラージェル宮廷魔法使いの陣営だ」


「なっ何と宮廷魔法使い殿と懇意にされているのですね!」


「あぁそれであの人から課題を出されてね。強く成れとだから世界を見渡すために登録しに来たこれで十分か?」


「えぇ了解いたしましたそれでは直ぐにギルド証の発行に移りますので暫くお待ちください」


それから暫く待っていて、その間もステータスとスキルの鑑定をしてどんなスキルを簒奪しているのか確認していると体感で約10分位経ってから、また来てギルド証が発行されたと言う事と、これで貴方は当ギルドの一員だと言う事を言っていた。


それから俺はギルドに備え付けられている図書館でこの世界の情報を集める事にした。


《新しくスキル<速読Lv1>を習得しました》

《スキル<視覚強化Lv5>は<視覚強化Lv6>に上昇しました》

《スキル<思考加速Lv5>は<思考加速Lv6>に上昇しました》


それからも色々本を読みこんだことで、ある程度この世界の情報を得る事が出来たが、先ず問題なのが金がないと言う事だ。ここにくるまで見かけたが、このリールって言う単位のお金は日本円と殆ど同じくらいの価値と思っていた。現に屋台で売っていた串焼きが100リールだったkら多分日本円と殆ど同じ価値だろうと予測した。


そう考えると今の俺の全財産は500リールだった。ご丁寧にこの魔法鞄は中身が無くなっており現状迷宮探索で得た宝を除いて現金がさっきのお釣りだけだった。まぁため込んである宝を売れば大金持ちになることも可能だが、調べてみて結果ここ1年間でのダルシウム迷宮の攻略階層は最大35階層だった。それもこの地方では名のあるパーティだったそれがこの結果と言う事は否が応でもこの結果がかなり凄い事が察せられる。


現状あまり物の価値を知らない俺からしてみれば売れるのは精々鉄の剣とかの魔力を帯びていない唯の道具に限られるのだ。


それからギルドの依頼で薬草採取の依頼を受ける事にした。俺自身の強さなら魔物の討伐が良いんだろうけど、これが決まりと言うから仕方が無い。俺は素直に薬草採取の依頼を受けて町の周囲に出た。そこで鑑定が活躍して、あっという間に目的の薬草を見つけそれを視覚強化や思考加速や演算処理を使って直ぐに見つけて、依頼達成を知らせるために町に帰った。


「依頼の薬草束5つだ」


「はいそれでは報酬金の500リールになります」


そのやり取りをしてから俺はギルドから出て、暫く体を洗っていなかったし来る途中で見かけた公衆浴場にでも行こうかなと思いながら、出ようとするとギルドの門を荒々しく開けて見知らぬ男が入ってきた。


「うわっアイツだよ」「最悪…何で私が居る時間に来るかなぁ」「うわぁあの人だよ私裏に行くからお願いしていい?」等々聴覚強化で入って来る声は全てあいつを悪い感じの目で見ていた。


「おいおい見かけねぇ顔だよなぁ」


「あぁあの新人目付けられたね」「可哀そうに」「後でメシ驕る位はしてやろう」と俺に同情する声が寄せられて、こいつ所謂テンプレの子悪党冒険者かなと思う程に荒々しい恰好をした様子は逆に笑いを誘っているのかと錯覚する事もある。そうしている間にも事情を知る受付嬢やギルドマスターは止めに入ろうと思っているのかそれともこいつが不味いのか躊躇していた。


「何だ子悪党、口が臭いぞ」


「アァッテメェ何言ってんだ潰すぞ初心者風情が」


「子悪党は怒るのも早いと見える無様だなぁ」


そう言い放つと、相手はさすがにキレたのか、剣を抜いて来て普通に俺を殺そうと剣を振り下ろしてきた。


「まぁ食前の運動と言う奴か」


そう言いながら肉体の内側だけをゴーレムに変化さして、皮膚も硬化させた影響で傷一つなく剣を握りつぶした。


「この程度か子悪党」


そう言うと流石に剣を折られてビビったのか逃げていく背中は笑いを誘った。その後受付嬢にあれは何だと聞いたが、どうやらこの街を収める町長の次男のドラ息子が冒険者になったが、その傲慢さが抜ける事は無くよく女冒険者や受付嬢を自分の権力で無理やり自分の物にするとか言う噂に絶えないのだと聞いた。


「クソかな?」


「まぁそうですね。ですけど貴方ほどの実力なら大丈夫でしょうね」


「そうか」


と言いながら公衆浴場に行ってから体を洗う事にした。どうやら良くある異世界と同じでこの世界にも風呂に入る文化自体はあるらしく、スキルや魔法のお陰でかなり簡易に使えるようだった。


それからその日は適当に町を歩き回りながら時間を潰していたが、気配感知に何かの気配が引っかかった。普段ならただの町人と思っているが、どうにも怪しいこんな時間に真っすぐ俺に向かって来るそれに対して俺は適当な路地裏に入って巻いてみる事にした。


だがそれでも追ってきて俺が標的だなと確信して、それに原因は絶対昼のあれのせいだと思いながら推定暗殺者を待っていた。そうして待っていると真正面から言葉も無く戦いを始めてきた。


名前 アルド

種族 人間

職業 暗殺戦士Lv15


命力 500/500

体力 350/350

魔力 110/110


攻撃力 450

防御力 140

速度力 350

魔法力 100

抵抗力 100


コモンスキル

観察Lv4.暗視Lv10.視覚強化Lv6.聴覚強化Lv6.嗅覚強化Lv5.魔剣術Lv10.短剣術Lv6.二刀流Lv4.体術Lv7.格闘Lv3.気配感知Lv10.隠密Lv5.消音Lv10.消臭Lv10.消熱Lv5.

耐性スキル

痛覚耐性Lv10.苦痛耐性Lv10.流血耐性Lv6


まぁまぁ強いよな…うんスキルも未知の物が多数あるしどのスキルを簒奪しようか悩むなぁ。まぁ所詮この程度の敵は素のステータスの暴力が通用するから楽勝だった。それもあってゆっくりスキルを選んでいた。


《スキル簒奪によりスキル<二刀流Lv1>を簒奪しました》


二刀流のスキルがなんか使えそうな感じがしたから簒奪していたが、こいつどうするっかなぁ殺しても良いけどそしたら面倒臭そうだし…まぁ殺さずに縛って置けば良いでしょ


そんな事を考えながら取りあえず粘糸で縛って逆さ釣りにしておいてその日は夜の散歩を続ける事にした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る