第9話 ボス戦

あれから元気になってからと言うのもあるが、毒霧のスキルが思ったよりも使えそうなスキルと言う事で、かなりご機嫌になっていた。


「まぁこの場所じゃ使えそうにないけど、雑魚処理にはかなり重宝しそうだよなぁ」


そうしみじみ思っていたら、第4層に繋がっていると思わしき階段が有ったが、一先ずその階段を無視して探索を続ける事にした。


「と言うか今の俺が言ってもどうせ瞬殺だしそれだったらこの階層で鍛えた方が良いしな」


そう考えながら探索を続けていくと、又もやラットの魔物に出会ったが、ここら辺の魔物の相手はかなり慣れたから爪のスキルだけで完封する事も可能になってきた。そうして暫く探索を続けてスキルも色々簒奪してから第4層に足を踏み入れる事にした。


そうしてかなり警戒しながら探索を続けていたが、ここでとある疑問がふと頭をよぎった。


「何かステータス?では3層と変わらない様な気がする...」


そう...ここの迷宮の4階層の敵の実力自体は第3階層とそんなに変わらないと言うか一部の敵は3層よりも素のパワーでは劣る敵もちらほら居て、速度やパワーも全体的に劣っている魔物が数多く居た。


だが、それを補って余りある頭の良さがあった。第3階層の様にただ野生の勘でスキルを使ってくる敵じゃ無くきちんと考えて発動されたスキルは、素のステータスが低くとも俺を苦しめるには十分すぎる程に脅威だった。


俺の動きを見て学習すると言う事まで熟すまでに高い知能は、俺を苦戦させたが、元々素のステータスは低く俺自身もある程度スキルが揃ってるからそう簡単に翻弄されることは無く結構苦戦したが倒す事にも成功した。


《スキル簒奪により<回避Lv1>を簒奪しました》


このスキルは常時発動型のスキルで、回避行動にプラス補正を掛けるらしくラットの攻撃を避けて攻撃を叩き込むのが容易になった。


それから暫くは、第4階層に籠ってスキルを鍛えるのと簒奪によりスキルを鍛えると言う事をしながら生活して、その内に第5階層に繋がっていると思しき階段も見つけたが、ある程度鍛えられるまで、第4階層に留まる事にした。それは、第5階層がこれまでとは違って、目の前にドアがあるだけで、多分ボス部屋の類だと確信したからだった。


《スキル<暗視Lv9>が<暗視Lv10>に上昇しました》

《スキル<暗視Lv10>から<視力強化Lv1>が派生しました》


それから暗視のスキルがLv10になったところで、多分この程度で大丈夫だろうと思い出かける前に持たされた鑑定の魔法具を使ってみる事にする。


名前 幸田哲郎(■■■■・■■■■■■■)

種族 人間(■■)

職業 無職(■■)


命力 90/90

体力 60/60

魔力 80/80


攻撃力 15

防御力 15

速度力 20

魔法力 10

抵抗力 15


固有スキル

簒奪

コモンスキル

回復Lv5.暗視Lv10.視覚強化Lv1.猛毒攻撃Lv1.剛爪Lv2.牙Lv6.悪食Lv5.保菌Lv3.突進Lv5.毒霧Lv4.回避Lv5.演算処理Lv4

耐性スキル

病気耐性Lv10.猛毒耐性Lv1.痛覚耐性Lv4.吐血耐性Lv4.衰弱耐性Lv2


スキルもある程度鍛えられて、かなり強くなったことで、漸く最下層と思われる場所に挑む覚悟が出来た。


先ず足を踏み入れてみるとそこには、これまでのラットより一回り大きく醸し出す雰囲気は、これまでの雑魚とは比べ物にならない位の覇気を備えていた。


一先ず俺が突進を利用して近づいて、新たに剛爪に進化した爪にこれまら進化した猛毒攻撃を打ち込んだ事が開戦の合図となった。


毒に怯むことなくラット種は、俺の毒霧よりもはるかに強力な毒霧を発生させながら此方に突進してきた。そのまま俺は回避しようとしたが速度で圧倒的に勝っている相手に対して速度が劣っている私が回避できる筈も無く突進を真面に喰らってしまった。


それだけで多分肋骨の幾つかがお釈迦になってると思われるが、それを痛覚耐性によってむりやり無視して今度も剛爪と猛毒攻撃に加えて、ここまでで結構な数のラット種を食って来た事で、習得に至った人体に害ある物を効率的に喰らう事の出来る悪食のスキルと、保菌のスキルによってため込まれた病原菌を叩き込んでみる事にした。


そうするとラットの魔物は先ほどまでとは違って、かなり苦しそうにして病気に耐えている雰囲気を見せてきた。それを見逃す程俺も優しくなくそれに対して問答無用で猛毒攻撃とと牙のスキルを組み合わせた攻撃を叩き込んだ。


それでも絶命には至らずに何やら触手のような物を生やしてきて、俺の背後から刺し貫いて来た。それに対して俺は直ぐに後ろに飛んで回避したが、胴体に風穴が空いたと言うのはかなりの致命傷になって、このまま行けばすぐに俺は死んでしまうと思った。


今辛うじて意識を保っているのは、痛覚耐性と回復のスキルそして、吐血耐性による血液が流れ出る事を防止して、衰弱耐性によって死ぬのを先延ばしにしている事で何とか生きていると言う状況だった。


「もう...時間が」


そう呟くと同時に体が幾分か楽になった。それは、今現在の状況を切り抜けようとスキルレベルがどんどん上がっていったからだ。


《スキル<痛覚耐性Lv5>が<痛覚耐性Lv6>に上昇しました》

《スキル<衰弱耐性Lv2>が<衰弱耐性Lv3>に上昇しました》

《スキル<出血耐性Lv1>を習得しました》

《スキル<苦痛耐性Lv1>を習得しました》

……………


どんどんスキルレベルが上昇していく音声と共に俺の体の中の魔力が物凄い速度で枯渇状態になって行くのが分かる。俺は残りの全ての魔力を剛爪の強化につぎ込んで、その剛爪でラットの心臓を抉った。


そこで意識は途絶えた。



「ようやっと起きたか哲郎よ」


「...ラージェル?」


「あぁようやったなあの時ばかりは肝が冷えたぞ君が死ぬかと思って恐怖したものだ。」


そう言うラージェルさんは心底安心したと言う感情が見て取れた。そのまま俺はボスのラットに向かって簒奪をしてみた。


《スキル簒奪によりスキル<触手Lv1>を簒奪しました》


そうしてスキルを簒奪してから魔城に戻って少しだけ寝ると言って部屋に備え付けてあるベットに入ったら思考する間もなく泥の様に眠ってしまった。



あとがき

☆や♡フォローは作品を投稿する上でモチベ上昇につながるのでよろしくお願いいたします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る