第20話 魔法作成
ひと眠りした後朝起きて今日は宿屋に備え付けてある食堂で朝ごはんを食べる事にする。食事は単純なパンとかでまぁ当たり前だが米とかは無かった。
さてと今日は午前中は依頼をいくつか熟して、その後は図書館によるかと思いながらパンを水で流し込んでからギルドに足を運んだ。そこには新しい依頼が幾つかあった。目ぼしい依頼としてはやっぱりゴブリンの討伐だろうかと思いながら依頼を見ていると気になる依頼が目に付いた。
<エラルド森林の調査>と言う依頼で報酬額は驚きの3000リールとこれまでの依頼額の約3倍とかなりの大金だなと思いながら依頼の説明に目を通してみると、どうやら最近この森でゴブリンの目撃件数が一気に減ったらしく、今まで普通に居たはずなのに急にいなくなるのは可笑しいと言う事で緊急で依頼が発生したらしい。
「この依頼を受けたい」
「そうですか…ですが此方の依頼はかなり危険性が高く命を落とす危険性がございますが宜しいですか」
「あぁ大丈夫だ」
そんな感じの会話をしながら俺は、その森に入ってみたがやはりおかしいなと思った。何せゴブリンどころか魔物や動物が殆どいないのだ。まるで絶滅でもしたかのように居なくなった生物の気配に俺の背筋にゾクゾクとしたモノが走る。
それから探索していくと、気配感知に魔力感知そして新しく簒奪した生命感知が一斉に何かの大軍を発見した。俺は直ぐに近くの一番背が高い木に登って強化された視覚をもって見てみたが、それでも分かるレベルで、ゴブリンの大軍が居た。そしてその一番奥にはモロボスですよと言わんばかりの風格を兼ね備えたゴブリンが居た。それに俺の中のナニカが全力で警報を鳴らしている。それに素直に従い俺は町の方に戻りギルドマスターにこのことを知らせた。
「何と…その様な数のゴブリンが…これはもしかすると王種が生まれたかもしれません」
「王種?とは何だ?」
「あぁ異世界の者は知らなかったですね。王種とは、その名の通りその魔物の中でも王と呼ばれる個体でその個体がいるのと居ないのとでは危険度が天と地ほどの差が生じる程と言われています。
とまぁこの程度でしたらあの資料室に乗っている事でしょうが、ゴブリンは一味違います。ゴブリンの王種が生まれたとなればクイーン種も存在するでしょうなぁ因みにクイーン種とは本来雄しか生まれないゴブリンの中でも唯一の雌の個体で、これと王種が番となり生まれたゴブリンは国を飲み込む可能性すらあるとのお話です」
「それは早めに何とかしないと行けないなだが手はあるのか?」
「正直に言うならば厳しいでしょうなただのゴブリンの群れでしたら容易く殲滅できるでしょうけど王種は高い指揮系スキルと高い知能を持っていますこれは戦争に成り得るかもしれませんよ」
その言葉でかつての疑似迷宮でのゴブリンの群れとの戦闘を思い出す。確かにあの時はソロだし今よりも弱かったというのもあるが、結構苦戦したからこのまま放って置いたら不味い事になるのだけは確実だ。だとしても今の俺では確実に足手まといになる未来しか見えない。何せ俺の戦闘スタイルは変化のスキルによる触手等の魔物の体の一部を使ったり猛毒のスキルを使ったりで他人と一緒に仲良しパーティくみましょうって感じの物でも無いし単純に広範囲殲滅系のスキルや魔法を持っていないって言うのも問題だ。
「ここは一つ魔法の勉強と行こうか」
そう言いながら俺はギルドマスターの部屋を後にして依頼料を受け取ると次の目的地たる図書館に行くことにした。何せここには大体の情報は載っていると言っても良い代物だ。魔法に関する情報もあるだろう。
そんな事を重いながら魔法に関する本を読んでみたが魔法と言う学問がかなり難しい事が分かった。何せ魔法を理解するには魔法言語のスキルが必要でそれを魔法陣として現実世界に投影してそこに魔力を流す事で初めて魔法を使えるそしてそれが出来たら魔法スキルを習得する事が出来て、それで初めてその魔法を使いこなす事が可能になると言う途方も無い物だった。
「まぁここいらで簒奪に頼らないで勉強してみるのも手か」
そう言いながら図書館に籠ってから約3時間たった。一応魔法言語のスキルを習得する事には出来たけど、ちゃんと魔法を扱うためには理解しきれていない部分も多くこれはまだまだ勉強が必要だと思った。
それから今度は4時間が経過して、もはや外は暗くなっていた。まぁこの図書館は24時間開いているらしい、それと言うのもこの世界スキルやら魔法やらで元の世界のような科学力はゴーレムのあれ以外無いがそれ以上に使えるものが有る。
その一つが監視球と言う奴で、鑑定してみた結果どうやらゴーレムの類で予め設定されているルールを破ったら追い出されると言うのスキル構成的に分かった範囲だ。まっ恐らくだが、このゴーレム技術多分元の世界のロボット技術を軽く超えてるよなとかいう事を考えながら色々なスキルがレベルアップしたり新しいスキルを習得したりと有意義な時間だった。
実は変化のスキルと浮遊のスキルにかなりのシナジーがあったのだ。先ずは触手を取りあえず数だけ作ってその先にゴブリンの目を生成させる。そしてこれが見えるように浮遊のスキルで本を浮かせると言う事を発見した影響で、かなりの量の本を読み込むことが可能になった。
それもあって魔法言語の方はあらかた理解できたが、今度はその言語を成立させるための<魔法陣生成>のスキルを習得する必要がありこれの方も本を読み込んで理解する必要がある。その上に魔法属性言語やら魔法補助言語等を含めれば多岐に渡る。
これ位魔法の作成は困難と言える。まっそんな面倒な事せずに学院に入れることが出来れば簡単なんだがなぁ
そんな無意味な事を考えて居ても無理な物は無理だと断じて、本を読むことに集中する。それからもスキル飢餓耐性や睡眠耐性のスキルレベルがどちらも7を超えたあたりで漸くある程度の魔法関係の理解を深められたという事に喜びが出た。
それから思考系スキルや演算系スキルをすべて使って魔法の作成を始めてみる。
《新しく魔法<広域焦熱Lv1>を作成いたしました》
《新しく魔法<魔力保護Lv1>を作成いたしました》
まぁ魔法の事を覚えれたのは良いが、実はこれが使えるのかは現状全く分からない何せ新しく作ったばかりだし魔力保護の方は魔力で体を覆って保護すると言うコンセプトだから常時発動が出来るが広域焦熱の方は完全に広範囲攻撃だからポンポン試し打ち何て出来ないのだ。
「まぁ明日ギルドの方を見てみるかその結果次第では俺が出るしか無いよなぁ」
それから今日も宿屋でひと眠りして次の日ギルドに行ってみると受付嬢の人が沈んだような顔をしていた。
「何かあったのか?」
「あっ貴方は無事だったのですね」
「すまないが説明してくれないか?」
「あっすいません。実はあれから直ぐに緊急招集を開始して町の兵士なども出て総力戦で挑んだんですが、数の暴力が酷くその上個々の実力も微々たるものですが上がっていて、それもあり全滅してしまったのです。現在は森の方で建物を作って男性は死亡そして女性は数を増やすために奴隷になりました。」
「そうか…だが安心しろ俺がその依頼を受けよう」
それからもれ出るのを止めようとされたりしたゴタゴタはあったが、全部を押しのけて俺がソロで出る事にした。何せ俺が魔法を覚えるために時間を掛けたが故にそいつらは殺されたのだ。もしも俺が居たら犠牲が軽くなっていたかも知れないと思うと責任感のような戦闘意欲のような物が湧いてきた。
「最初から全力で行くぞ」
その言葉と共に俺は背中を触手に変化させてその先に鉄剣を作り出しそこに猛毒などの各種コンボを叩き込み殲滅を開始した。
あとがき
☆や♡フォローは作品を投稿する上でモチベ上昇につながるのでよろしくお願いいたします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます