第40話 帰省③
その日の夜、陽斗は実家でのんびりしてると凛奈から声をかけられたので、凛奈の部屋へ向かった。
「今日は楽しかったね。湊ちゃんにも会えてよかった。」陽斗はベッドに腰を下ろしながら言った。
「うん、本当にね。湊も喜んでたし、いい一日だったよ。」
しばらく湊の話をしていると、凛奈が突然、
「やっぱり、陽兄ちゃんもVtuberやってみたら?」と提案してきた。
「いやいや、やらないよ。」
「個人勢のVtuberで推しや湊と仲良くなれるかもよ。」凛奈は揶揄うように言った。
「そう言われても…なんか恥ずかしいし、向いてないと思うんだ。逆に凛奈がもう一度Vtuberやればいいじゃん。湊ちゃんとコラボとかしたら面白いんじゃない?」陽斗は逆に提案をした。
「うーん、それはちょっと…もうやる気出ないし。」
「そうか。お互いになさそうだね。」陽斗は笑いながら言った。
「うん、そうみたい。でも、湊がもっと有名になれるように、応援してね。」凛奈は真剣な表情で言った。
「もちろんだよ。宿題もあるし、すぐに動画は作れないかもしれないけど、必ず作るから。」陽斗は力強く約束する。
その時、陽斗のスマホが鳴り、湊からのチャットが届いていた。 「今日の御礼のチャットが来たよ。」陽斗はスマホを見せながら凛奈に言った。 「どれどれ。」凛奈も興味津々にスマホの画面を覗き込んだ。
湊のメッセージには感謝の言葉が綴られており、陽斗と凛奈がカフェに来てくれたことに対する喜びが伝わってきた。 「湊ちゃん、ありがとう。こちらこそ楽しかったよ。また会えるといいね。」陽斗は丁寧に返信を打ち込んだ。
「湊、可愛いよね。でも手出しちゃダメだよ。」凛奈は揶揄うように言い 「そんなことしないって。湊ちゃんは凛奈の友達だし、俺はただ応援してるだけだから。」陽斗は否定しながら笑った。
「冗談だよ。でも、陽兄ちゃんが湊を応援してくれるのは本当に嬉しい。ありがとう。」凛奈は感謝の気持ちを込めて言った。 「こちらこそ、凛奈のおかげで楽しい時間を過ごせたし、湊ちゃんのことも知れてよかった。」陽斗は笑顔で答えた。
次の日、お昼前に陽斗たちは家に帰る準備を整えている。行きと同じように、おじさんが駅まで送ってくれることになっていた。陽斗は荷物をまとめ、玄関で待っていると、凛奈が一緒に見送りに行くために車に乗り込んだ。
「今日は陽兄ちゃんと一緒に駅まで行くよ!」凛奈は元気よく言った。 「ありがとう、凛奈。短い間だったけど楽しかったよ。」陽斗は微笑んで答えた。
車の中では、陽斗と凛奈が湊の話を続けていた。 「湊のこと、よろしくね。彼女が有名になるように応援してあげて。」凛奈が言うと、 「もちろんだよ。これから湊ちゃんを応援するから。」陽斗は力強く約束した。
「これからはたまに連絡するからね。陽兄ちゃんも、気軽に連絡してね。」凛奈は少し照れながら言った。 「うん、そうするよ。凛奈も元気でね。」陽斗は笑顔で返事をした。
「陽兄ちゃん、また会えるの楽しみにしてるからね。」凛奈は少し寂しそうに言った。 「俺もだよ。次はもっと長く居れたらいいね。」陽斗は優しく答えた。
やがて、車は駅に到着し、陽斗たちは降りる準備をした。 「じゃあ、気をつけて帰ってね。」おじさんは陽斗たちに手を振りながら言った。 「ありがとう、兄さん。また来るね。」母もおじさんに感謝の言葉を伝えた。
「陽兄ちゃん、バイバイ。またね!」凛奈は手を振りながら言った。 「バイバイ、凛奈。またね。」陽斗も手を振り返し、笑顔で別れを告げた。
電車のホームに向かう途中、陽斗はこの数日間の出来事を振り返っていた。久しぶりの帰省で家族と過ごした時間、凛奈や湊との新たなつながり。これらすべてが陽斗にとって大切な思い出となった。
「次に来る時は、もっと色々なことを一緒にしよう。」陽斗は心の中でそう決意しながら、ホームに向かう足を進めた。
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