切り抜き師の俺、同じクラスに推しのVtuberがいる

星宮 嶺@Vtuber物書いてます

第1話 はじまり

「今日も最高だったなぁ...」


冴木陽斗は配信を終えたばかりのモニターを見つめながら、満足げにため息をついた。しかし、その一方で彼の心には悔しさが募っていた。


「まだチャンネル登録者数300人か…もっと多くの人にソラちゃんを知ってもらいたいのに...」


星野ソラ、金髪ツインテールのVtuberで、歌うことが大好きなアイドルVtuberだ。彼女のチャンネル登録者数はまだ300人程度と少ないが、陽斗はその魅力にすっかりハマっていた。


彼は椅子に深く腰掛け、天井を見上げた。ソラの魅力をもっと多くの人に伝えたい、。しかし、学校で布教活動しようにも陽斗には仲の良い友人は一人、中村亮太だけ。しかも、亮太はすでにソラの魅力を知っている。


「どうすればもっと多くの人にソラちゃんを知ってもらえるんだろう...」


陽斗は考え込んだ。彼自身がVtuberを見始めたのは、友達の亮太が見せてくれた切り抜き動画がきっかけだった。その短い動画が彼の心を捉え、今では毎日のようにソラの配信を楽しみにするようになっていた。


「そうだ、切り抜きだ!」


突然、陽斗の脳裏に閃きが走った。切り抜き動画なら、短時間でソラの魅力を伝えることができるし、SNSでも拡散されやすい。


「でも、どうやって編集するんだ?」


陽斗は自分のスキルの不足に気づき、困惑した。彼はパソコンの前に座り、インターネットで「動画編集 初心者」と検索をかけた。すると、数多くのチュートリアルやガイドが見つかった。


「よし、これから勉強しよう!」


陽斗は一つ一つのチュートリアルを見ながら、基本的な編集技術を学び始めた。最初は何もかもが新しく、難しさに戸惑うこともあったが、彼は決して諦めなかった。星野ソラのために、そして自分の夢のために、彼は一歩ずつ前進していった。


数日後、陽斗はようやく初めての切り抜き動画を完成させた。ソラの配信を見直しながら、面白いシーンや感動的なシーンを選び出し、それらを編集して一つの動画にまとめた。


「これでどうだ!」


完成した切り抜き動画を見ながら、陽斗は満足げに頷いた。彼は早速その動画をYouTubeにアップロードし、SNSでも拡散するための投稿を始めた。

「これで、少しでも多くの人にソラちゃんの魅力が伝わりますように...」

陽斗の心は希望に満ちていた。彼はソラのために、そして自分のために新たな一歩を踏み出したのだ。

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