第33話 美優紀たちの夏休み(予定)
中間テストが終わり、夏休み前の短縮授業期間に入った。陽斗たちと同じように、美優紀たち三人も夏休みの計画について話していた。
「やっとテストが終わったね!夏休みが待ち遠しい!」真由が明るい声で言った。
「本当にね。夏休みの予定はどうするの?」夏美が聞くと、
「私はもういっぱい計画があるよ!」真由は目を輝かせながら話し始めた。
「まずは中学の友達と海に行くの。バーベキューをしたり、ビーチで遊んだりして一日中楽しむ予定。それから、お祭りにも行くの!浴衣を着て、屋台巡りして、花火を見るのが楽しみで仕方ない!」真由は早口でまくしたてる。
「すごいね、真由。いつも楽しそうなことばかり考えてるね。」美優紀は微笑みながら言った。
「そうなの!それに、いろんなところに旅行にも行く予定があるんだ。京都に行ってお寺巡りをしたり、沖縄でシュノーケリングしたり。どれも楽しみで、もう待ちきれないよ!」真由は嬉しそうに続けた。
「それから、もちろん友達とのお泊まり会もあるし、ショッピングもたくさんするつもり。インスタにいっぱい写真をアップするから、二人とも見てね!」
「すごいスケジュールだね。真由は本当にアクティブだな。」夏美は感心したように言った。
「いやいや、夏美たちにも付き合ってもらうんだからね!」と真由が言い、二人は苦笑いしながら「もちろんだよ。」と返事をする。
「夏美はどんな予定なの?」と美優紀が尋ねる。
「私は基本的には勉強かな。夏休みも勉強を続けるつもり。でも、友達と遊びに行く時間も少しは作るつもりだよ。」
「夏美は本当に真面目だね。でも、たまにはリラックスも必要だよ。」真由は優しく言った。
「そうだね。だから、友達とカフェでまったり過ごす日も作る予定。それに、映画を見に行ったり、美術館や博物館を巡ったりする計画も立ててるの。」夏美は微笑んで答えた。「あと、夏休み中に一度は家族旅行に行くの。久しぶりに家族全員で出かけるから楽しみ。」
「家族旅行もいいね。どこに行くの?」美優紀が尋ねる。
「北海道って聞いてる。大自然の中でリフレッシュして、美味しいものをたくさん食べてくるつもり。」夏美は目を輝かせながら答えた。「それに、夏休みの終わりには、中学校の友達と一緒にお祭りに行く計画もあるの。みんなで浴衣を着て、夜店を楽しむのが楽しみ。」
「それも楽しそうだね。夏美も充実した夏休みを過ごせそうだね。」美優紀は微笑んで言った。
「うん。でも、やっぱり勉強がメインだから、しっかり計画を立てて過ごすつもり。」夏美は真剣な表情で言った。
「そっか。夏美も真由も、素敵な夏休みを過ごせるといいね。」美優紀は二人の話を聞きながら、自分の心に秘めた計画を思い浮かべていた。
「それで美優紀は?」と真由が興味津々の様子で聞くと
「私も夏美と一緒で勉強かな。」
ホントはソラの配信をと言いたい美優紀だが、二人には内緒で活動しているため勉強と誤魔化す。
「美優紀も勉強?もっと遊ぼうよ。夏休みとか遊んでられるの今だけだよ!」
「うん。もちろん遊びにも行くから真由も誘ってね。」美優紀は笑顔で真由に返事をした。
その日の夜、美優紀は自室で机に向かいながら、夏休みの計画を練っていた。机の上には配信のアイデアを書き留めたノートが広げられ、彼女はペンを持ってアイデアを次々と書き加えていった。
「夏休みはたっぷり時間があるから、みんなにもっと楽しんでもらえる配信をしたいな。」美優紀は独り言を呟きながら、過去の配信を振り返っていた。特に、前回のゲーム配信がリスナーたちに好評だったことを思い出し、その楽しさが蘇る。
「前にやったゲーム配信、あれは本当に楽しかったな。みんなの反応も良かったし、またやってみようかな。」美優紀はニコニコしながらノートに「ゲーム配信」と書き込んだ。
しかし、それだけでは物足りないと感じ、さらにアイデアを練り始めた。最近気になっているのは、他のVtuberがやっている同時視聴配信だ。リスナーたちと一緒に映画やアニメを見ながら、リアルタイムで感想を共有するスタイルは、特に親近感が湧くと評判である。
「同時視聴もやってみたいな。みんなで一緒に映画やアニメを見て、感想を言い合うのって楽しそう。」美優紀は、何の作品を選ぶかを考えながらノートに「同時視聴配信」と書き足した。
さらに、美優紀はリスナーたちの好みやリクエストにも思いを巡らせた。コメント欄で多くの人がリクエストしていた企画や、リスナーからの要望をリストアップし、どれが実現可能かを一つずつ考えていく。
「みんなが喜んでくれる配信をしたいから、リクエストも取り入れたいな。いつもの歌配信とか、マシュマロ雑談とか…。」美優紀はリクエストのリストを作り、それをもとに配信スケジュールを組み立てていった。
「よし、これでだいたいの計画は立てられたかな。」美優紀は満足げにノートを見つめた。「これで夏休みは、みんなにもっと楽しんでもらえる配信ができるはず。」
彼女はノートを閉じ、ベッドに座りながら次の配信のことを思い浮かべた。リスナーたちの喜ぶ顔を想像しながら、美優紀はワクワクした気持ちで眠りについた。
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