第21話 ゲーム配信
大森美優紀は、初めてのゲーム配信をすることに決めた。これまでの配信は主に雑談や歌が中心だったが、ファンからのリクエストもあり、新しい挑戦としてゲーム配信を取り入れることにした。
「今日は初めてのゲーム配信です。みんな、応援してね!」
美優紀は、画面に向かって元気に挨拶をした。ファンたちもコメント欄で「楽しみ!」「頑張って!」と応援のメッセージを送っていた。最初はFPSをプレイする予定だったが、事前に少し試してみたところ、操作が追いつかず、配信にならないと判断した。
「実はFPSゲームをやろうと思ったんだけど、全然うまくいかなくて…だから違うゲームに挑戦することにしました。」
そして、美優紀が選んだのは「7番出口」という脱出ゲームだった。駅構内の0番出口からスタートして、7番出口を目指し進んでいく。地下通路を0番から歩き、何か異常や怪奇現象が起こった場合は引き返し逆方向に進む。異変がなかった場合はそのまま進むことによって次の出口へ進めるゲームである。異常や怪奇を見逃すと0番に戻り、ミスなく7番出口までたどり着ければゲームクリアとなる。
操作方法が簡単で、記憶力や洞察力が試されるゲームだったので、美優紀は自分でもできると思い挑戦することにした。
「皆さん、7番出口というゲーム知ってますか?このゲームは、記憶力と洞察力でクリアするゲームらしいです!他のライバーさんもたくさんやってるみたいなので、私も挑戦してみます!」
配信が始まると、美優紀はポスターのサイズが大きい異変に気付いたり、歩いてくるおじさんの足の速さが違ったりと、簡単な異変をすぐに察知しクリアしていった。
「おー、結構簡単!みんなもこのゲーム、やってみてね!」
コメント欄でも
「さすがソラちゃん!」
「順調だね!」
「これくらいなら俺にもわかる」
といった声が飛び交い、美優紀も楽しくプレイしていく。
しかし、次のステージに進むと、突然怖い系の演出が現れた。画面が真っ暗になり、不気味な音楽が流れると、美優紀は驚いて声を上げた。
「きゃっ!何これ、怖い!」
美優紀はびっくりしながら逃げるように引き返し次の出口へ向かう。美優紀は驚きながら、
「あんな演出もあるんですね。私、怖いの苦手なので、もう出てきてほしくないです!」
と言いながら次の出口を目指す。しかし、動揺した美優紀は簡単な異変を見逃してしまい、ステージ1に戻されてしまった。
「うそ…戻されちゃった…」
コメント欄も驚きの声で溢れた。
「あーさっきは気づいた異変だったのに」
「ソラちゃん、大丈夫?」
「怖い系きて動揺しちゃってるね」
美優紀は気を取り直し、再びステージに挑戦することにしたが、暗転の演出が頭をよぎり、なかなか集中できなかった。
「さっきのは本当に怖かった…でも、頑張るよ!」
何度もチャレンジする中で、美優紀は怖い系の演出にビビりながらも、少しずつ進めるようになってきた。しかし、先に進むたびに再び同じ演出に驚かされ、動揺し簡単なミスを繰り返してしまう。
「もう、また戻っちゃった…」
ファンたちも心配しながら応援のコメントを送っていた。
「ソラちゃん、頑張って!」
「次はきっとクリアできるよ!」
「怖いけど応援してる!」
美優紀はその声援に励まされながら、再び挑戦を続けた。何度も失敗を繰り返しながらも、少しずつゲームのパターンを覚えていった。
「よし、今度こそ!」
美優紀は冷静にゲームに挑んだ。暗転の演出が再び現れたが、冷静に対応し、間違いを見逃さずに進んでいった。
何度目の挑戦だろうか、ついに美優紀は6番出口に到達した。
「みんな、もうすぐ最後だよ!」
コメント欄も一気に盛り上がった。
「やったー!」
「ソラちゃん、頑張れ!」
「もう少しだよ!」
美優紀は7番出口に向かって歩いていく。
「あ!このドア、ドアノブが付いてない!」
異変を見つけた美優紀は引き返し、ついに7番出口までたどり着く。
「ここで異変がなければゲームクリアなんだよね。」
そのまま慎重に周りを見ながら進んでいく。
「今回は異常なし!間違ってなかったらこれでクリアだ…。」
最後7番出口を潜り抜ける。
「クリアしたー!」
その瞬間、コメント欄は歓声で溢れた。
「おめでとう!」
「さすがソラちゃん!」
「頑張ったね!」
美優紀は達成感で胸がいっぱいになり、画面に向かって感謝の気持ちを伝えた。
「みんな、本当にありがとう!怖かったけど、みんなの応援のおかげでクリアできました!」
その後、美優紀はファンたちとの楽しいトークを続け、配信を終えた。
「これからもいろんなゲームに挑戦してみるね!応援、よろしくお願いします!」
配信を終えた後、美優紀は大きな達成感を感じていた。初めてのゲーム配信は成功し、ファンたちとの絆もさらに深まったことを実感した。
「これからも頑張ろう…!」
美優紀は新たな挑戦の成功に安堵し、次の挑戦へ意欲を燃やしていた。
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