寄生蛇VS寄生虫⑥

水射ウォーターミサイル

水射ウォーターミサイル

水射ウォーターミサイル

……


砕けた魔晶石の破片を食べながら、続けて何回も念じる。


それから何個も浮いた水をさきほどよりも丁寧に操作し、一匹少し離れていたホワイトミストパラサイドに近づかせる。


その間にも


炎霧フレイムミスト

火矢ファイヤーアロー


と念じて他の魔法を操作し、こちらに注意をひきつける。

石槍ストーンスピア』を使わないのは、水に入れるだけだと抵抗されそうなため、これで押さえつけてやろうという算段だ。


「ギチギチギ……ッ゙…。」


一匹に水が被さり声が途切れた。

水の中のため、助けが呼べないのもコイツラを倒すのにはもってこいだ。


石槍ストーンスピア


少しの間だけ溺れたけど、想像通り普通に水から出ようとしていたので、体に数々の棘を突き刺して、動きを止める。


再生しても『石槍ストーンスピア』は抜けないので、自分の体を傷つきたくなければ、むやみに動くことはできないだろう。


まあ、水の中で窒息してきたら、そんなことも無視して暴れ出すだろうけどね。


「「ギチギチギ……ッ゙…。」」



一匹目のやつを固定している間にも、操作していた水が何匹かにかぶさったようだ。

すかさず俺は『石槍ストーンスピア』と念じ、奴らの体を固定する。


後ろに目を向けていない他の奴らからしたら、奇妙な行動をしているように見えたのだろう、

一瞬奴らは戸惑うが、チャンスだと思ったのかすぐに魔法攻撃&接近戦のための肉迫をさっきよりも多くし始める。


「―――ッ゙」


魔晶石の影を使ったりして、なんとか全てをかわし切る。


確かに今攻撃されたら厄介だけど、もう一段落終わったから、気がそれて操作をミスってもそこまで問題はない。

チャンスなのはあっているけど、そこまで大ダメージを与えられるほどの大チャンスではないからね。


少し体を肉迫してきた奴に攻撃されたので、仕返しに『石槍ストーンスピア』で刺して攻撃する。


予想がつかない死角からきたので、かなりグッサリと刺さり、そいつは一旦撤退する。

また再生するとはいえ、今退かせられたのはいいね。


石槍ストーンスピア』と再度念じて、右奥にいる水に被さりもがいている奴らを固定する。

瞬間、


"レベルが上がりました"

"『水魔法』のレベルが上がりました"


と中性的な声が響いた。

どうやら一番はじめくらいに捕らえた奴を倒すことができたようだ。

それを境にポツポツとレベルアップを知らせる声が頭に響く。


「シー、」


俺は安心したように息を吐くと、石の棘が飛んできて慌てて避ける。


倒せない、と思っていたあいつ等をこの中のたった数匹だけど、しっかりと倒せたという事実に少し気が抜けてしまったようだ。


俺はまだ戦いは全然終わっていないという事実に気を引き締める。一瞬の判断ミスが冗談ではなく命取りになるからね。


――――――――――――――――

何分、いや何十分経っただろうか。


"レベルが上がりました"

"『土魔法』のレベルが上がりました"

"『光魔法』のレベルが上がりました"


最後の敵を倒し、レベルアップを知らせる声が頭に響く。

力が抜けて崩れ落ちると同時に、ビチャンッという音を立てて、浮かせていた水が落ちた。


疲労感とどこか充実した感じを同時にに味わいながら、俺はその場所を慌てて離れる。


またホワイトミストパラサイドが来るかもしれないからね。あともう一匹も戦える気がしない。

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