毒魔法

外に出ると、入口の前にホワイトミストパラサイドの体が水にプカプカと浮いていた。


ピクリとも動かないので大丈夫だとは思うけど、一応『鑑定』しておく。


#ホワイトミストパラサイドの死体

…ホワイトミストパラサイドの亡骸。#


…名前と説明欄がほとんど変わっていないのはとりあえず良いとして、『鑑定』でこのようにでているので大丈夫そうだ。


俺はそう思うと『水射ウォーターミサイル』を解く。

そのホワイトミストパラサイドの体は支えを失い地面に落ちた。


俺はそれを見ると、ホワイトミストパラサイドの尻尾に噛みつき、少しずつ丸呑みする。


ちなみにさっきも言ったけど、こいつの体は俺の十倍くらいはある。まあ寄生虫だからなのか太さは2倍くらいだけど。


はたから見ればめちゃくちゃおかしな光景だけど、

そういや忘れてた『寄生虫狩人パラサイドハンター』を『鑑定』してみると、

寄生虫の類いならどんなに大きくても小さくても食べれるらしい。


そのおかげで、どんなに大きくても寄生虫ならぱっくりと食べれる。

これを見たときはこれいるの、って思ったけど意外と使い道はあ……いや、ないな。


味に関しては想像の通りだし、見た目もあんなだし、好んで食べたいとは思わないからね。


まあ量は実際と変わらないけど、俺は『大食い』を持ってるので、食べ物に関しては無尽蔵に保存できるからね。


そんなことを思いながら、俺は丸呑みし終える?と左右に注意しながら、『毒魔法』の効果を試すために、大きな穴―多分消化管とかの管―を歩いた。



――――――――――――



数分歩いていると、狙いとしてはちょうど良さそうなのを見つけた。


もちろんホワイトミストパラサイドだ。この腹の中ではコイツラ以外見たことないからね。まあうじゃうじゃいても困るけどさ。


生命力も高そうだし、試すのはちょうどいい。


はじめに『毒魔法』と念じて思い浮かんだ言葉の中から、『毒射』を思う。


慣れ親しんだ毒がせり上がる感覚とともに、口から一直線に毒が射たれた。

変わっているところは威力が前より高いかな、ってくらいだ。

ホワイトミストパラサイドに直撃し、驚いたように奴はこちらを見る。



次はいまのでためてた毒がなくなってしまったから、『毒生成』かな。とりあえず一旦魔晶石の影に隠れる。


それから念じてみると、ウインドウが浮かんで生成可能な毒が見れた。


"生成候補 <普通の毒><粘着性の毒><水性の毒><微毒><即効性の毒><遅延性の毒><猛毒><霧毒><継続毒>"


この『進化』によって、前と比べかなり毒のレパートリが増えた。

それに毒は普通の毒を選択すると、2つ他の毒の効果がつけれるようだ。


早速普通の毒を選択してみると、


"生成候補 <普通の毒>

+<粘着性の毒><水性の毒><微毒><即効性の毒><遅延性の毒><猛毒><霧毒><継続毒>"


と画面が変化したので、とりあえず気になっていた霧毒と継続毒の2つをえらんでみる。


その瞬間体の毒を溜める器官?みたいなのになんとなく溜まっていくような感覚がしたので、最後に『毒操作』と念じてみる。


すると、いつもと違い軽い感じとともに、

少し紫っぽい霧のようなものが吐き出された。


それを鼻をふんふんやりながら、近づいてきていたホワイトミストパラサイドに向かわせる。


霧がホワイトミストパラサイドの姿を薄く覆い隠した瞬間、突然苦しみだした。よく見ると霧を吸った後みたいだ。


じっと観察していると、霧の効果に気づいた

のか慌てて出るが、少し威力は減ったようだけどまだ毒は食らってるみたいだ。


少しの間見たあとすぐに霧毒を操作し、体にかぶせる。

ホワイトミストパラサイドはぎょっとした顔をしたあと、慌てて逃げ出そうとするけど霧を操って追いかける。



数分追いかけっこを続けていると、段々と弱っていきやがて倒れた。

相手は距離が空いていたとはいえ、俺に傷一つつけないまま、だ。

うん、普通に強いと思う。『毒魔法』。


まあ『進化』して得たスキルも試せたし、とりあえず巣穴の近くに帰ることにする。




―――――――――――――


一昨日、昨日ともに更新できず申し訳ありません。今日はこれで精一杯です(泣)


この埋め合わせ時は必ずするので、どうか温かい目で見守ってくれたら嬉しいです…。

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