寄生蛇VS寄生虫
『毒生成』、『毒操作』、パリン、バリバリバリバリ、ごっくん。
ちょっと不安になったけど、気を取り直して食べること体感数時間。
コクリと魔晶石を飲み込んだところで、俺は目の前に広がる空間に頭を悩ませる。
さっきいた空間よりも断然広い大きな空間。
下の方には透明な液体が入っていて、上の穴から落ちてきたものがそれに浸かり、泡を立てている。そして溶けている。
少し前に決意を新たにひたすら壁を食べ進めていたらこれである。
いや、さあ。もしかしたらさっきのあれがフラグになったのかもしれないけどさ、ちょっとまってよ不幸体質さん。
あとここがどこかいまいち良く分からない。なにかの器官っぽいことはわかるけど。
俺は少しの間悩み、よし、よくわからない時は『鑑定』さんだ、と『鑑定』さんに丸投げした。
『鑑定』
"グラシエクリスティアルの消化器管の壁
…高品質の魔晶石でできている壁"
"『鑑定』のレベルが上がりました"
高品質の魔晶石でできているというところは同じだけど、消化器管か。
さっきいた空間が消化管だったから案外前世の生物の構造と似てるのかもしれないね。
というか、消化器管ってことは、はじめの消化管を通った跡に通過する場所だけど。
…なんか俺、順調に消化されてってない?
少し不安になってきたけど、まあそれはとりあえず置いておく。
『鑑定』のレベルが上がったという声もさっき一緒に聞こえたからだ。
さっき『鑑定』したことが最後で、やっとレベルが上がったらしい。
『鑑定』はレベル5までは結構サクサク上がったけど、そこから大幅に必要経験値が上がったのか、全然レベルが上がらなくなった。
他のは使える機会が多かったのか、それともこれは『鑑定』限定なのか、
少し上がりにくくなってきたかなとしか感じなかったけどね。
まあ真相はどうであれ、やっとレベルが6になったのは事実だ。
というわけで、早速どんな効果が見ていく。
横の壁を再度『鑑定』。
"グラシエクリスティアルの消化器管の壁
…高品質の魔晶石でできている壁"
試しに消化器管を対象にして『鑑定』してみる。成功した感覚があって、ウインドウに
"グラシエクリスティアルの魔晶石
…高品質の魔晶石。その魔晶石の美しさは誰もを魅了する。"
うん、これでこそ『鑑定』さんだね。
レベル1を除くこれまでの行いを悪いと言うつもりはないけど、
この制限で困ってたことも多々あるから、これはいいレベルアップだ。
これまで時間がかかったのも納得がいくくらいにね。
少し高揚した気分になりながら、他の機能はないかと俺は周りを見渡す。
すると、少しの先に見えたグネグネ蠢く白い物体を見つけ『鑑定』する。
"ホワイトミストパラサイドLv.20
<HP> 62/69
<MP> 61/63
<
<
<
<
<体力> 36
<瞬発力>36 "
残念だけど『鑑定』は生物に対しては変わってないようだ。まああれだけでも全然いいけどね。
そんなことを思っていると、壁を食いちぎっていた奴は小さい目をぎょろりとこちらに向ける。
え?グネグネ蠢く白い物体?
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