魔水晶
どうも、この辺りにある魔水晶を食べ尽くしてしまったので、魔水晶を探して彷徨ってる蛇です。
いや、初めの方は食べても再生してたから良かったんだよ。
でも何回も再生する度にだんだんと色が薄くなっていって、ついにはなくなってしまった。このあたりにあったほかのも同様。
ついでに周囲の重圧?も消えたから、もしかしたら魔素的なものが消費されて、再生してたのかもしれない。
それで魔素がなくなったから、再生したりしなくなったと。
まあなので多分魔素?が濃い場所に行けば良いと思う。
でも、これまでは少しの距離だったから大丈夫だったけど、この洞窟を魔水晶探しに探索するのは流石にめちゃくちゃ危険だ。
それでも俺はそうしようと思う。
理由はリスクとリターンを比べた結果、リターンのほうが上回っていると思ったからだ。
確かに俺のステータスを圧倒的に上回っている奴らがウロウロしている洞窟は危険だ。
不幸だし、もしかすると命がなくなるかもしれない。
でもここに隠れていても不幸は起きる。まあ確率的にはどっちも一緒ってことだ。
それなら次起こる不幸に対応できるように、一刻も早く強くなるべきだ。
その手段として、魔水晶は必要だ。食べているだけで、すごい勢いで魔力が増えていくなんて普通にちーとだし。
あ、もしかして、あのスライム共も魔水晶を
食べているからあんなにMPが高いのかな。
いやでもそれだったらHPも高いのはなぜだろう。
あと、魔水晶が食べられてたりするの見たことないし、やっぱ食べてるのは俺だけか。
今まで俺が見たことのある魔物たちが『鑑定』を使えるとも思えないしね。
もっと格上のやつだったら違うかもしれないけど。
まあ、そんな感じの理由で俺は探しに行くことにする。
どこにあるかは迷わない。
なんとなく魔物の本能?的なものでどこが魔素が濃いかっていうのがわかるんだよね。
――――――――――――――
本能に従ってこそこそ歩くこと数分。魔水晶がたくさん群生?しているところを発見した。
途中で何回かグラシエジュエルスライムに遭遇したけど、『隠密』の効果でなんとかやり過ごすことができた。
それでわかったけど、多分この洞窟はグラシエジュエルスライムしかいない。他の魔物がいたとしても少数だろう。
まあそれぞれ宝石―ルビーやらエメラルドやらサファイヤやら―を名前に保有していて、色とりどりだったからそれが魔物の種類か、って感じもしたんだけどね。
でも種族名は全部一緒だったし。
まあそんなこんなあったけど、俺が何千年くらい今のペースで食べ続けても無くならないような群生地を発見した。
壁にびっしり生えているので、俺が隠れるのにもちょうど良さそうだ。
…この凄まじい重圧がなければね。
多分めちゃくちゃ魔素が濃いんだろう。そこにいるだけで踏ん張っていないと今にも力が抜けそうになる。
グラシエジュエルスライムたちも避けている始末だ。
まあでもせっかく見つけたんだし、と俺はキラキラと輝く壁を登って隙間に隠れようとし…、固まった。
「ーっ。」
さっきの凄まじい魔素の重圧など、比較にさえ出せないほどの重圧。
一瞬映ったのは、魔水晶の群生の中に爛々と光る美しい
俺が入った穴にギザギザとした突起が所狭しと並んでいたことに今更気づく。
俺は意識が遠のく中で、やっぱ探索になどでなければよかったと後悔したのだった。
「ガンーッッッ。」
不幸なものを無情にも閉じ込める音が響いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます