ボスネズミ戦③パーティー?

マジカルマウスとレッドマウスを探しながらもと来た道を戻っていくこと数十分。


少し脇道にそれたところにやっと2姿を発見した。


そう、時間をかけたのが悪かったのか、2匹のネズミたちは合流してたのだ。

まあその2匹だけで他のネズミたちはいなかったのはまだマシだったかな。


なにはともあれ、アイツラを倒さなくては。


『毒射』


先制攻撃あるのみと思って、マジカルマウスに『毒射』を放つ。

マジカルマウスに直撃したのを横目で見ながら、それからすぐに走って距離を詰める。


「キッ!!」


マジカルマウスはこちらを苛立たしげに睨みつけると、何かブツブツ唱え始めた。


瞬間。土の棘が足元から出てくるが、俺は普通にかわす。

あの攻撃は何度か味わって、慣れたから意外と大丈夫だ。



だが。そう思った瞬間、尻尾のようなものが頬をかすった。チリリとかすった部分が痛む。

俺は大きく後ろへ飛ぶと攻撃の正体を睨みつけた。


「シーッ、」


レッドマウスも負けじと睨みつけてくる。そんなことをしている間に、やっぱ魔法の攻撃範囲とかあるのか、地面から再度土棘が生えてくる。


前からはレッドマウス、下からは土棘が俺を隙間なく襲う。まさに絶体絶命の状況だ。


俺は再度ネズミたちを睨めつけ、


「シーッッ、シャアァアア!!(覚えてろよ!!)」


と叫ぶとくるりと方針転換して走った。自分のセリフが三下みたいなのは気にしないよ。



――――――――――――――


…さて、戦略的撤退をしたところでどうしようか。


アイツラは長年のパーティーかと思うほど、なかなか連携がいい。

真正面から挑んだら勝てないことはさっきの経験でわかった。


作戦としては、さっきの逃げて引き離す方法を使ってもいいけど、あれは一回使ってるからなあ。

いくら頭があまり良くないからといって、む

ざむざ見え透いた罠にはハマらないだろう。


となると、どうするか。


というかアイツラが厄介なのは連携してるからだ。一匹一匹はそこまで脅威ではない。

一匹倒せれば、形勢は逆転するだろう。


もし狙うとすれば、マジカルマウスだろう。あいつの魔法攻撃が厄介だし、攻撃手段的に近距離戦に弱そうだ。

というか今更思ったんだけど、マジカルマウスって名前が適当な気がしなくもないね。


まあ関係ないそれは置いといて、マジカルマウスを問題はどうやって倒すかだ。

正面切って突っ込んでっても、レッドマウスの足止めされるだけだと思うし。


俺は少し悩んでから、


――――よし、不意打ちだ。


と思った。


別に勝つためなら、わざわざ正面切って戦う必要はない。

卑怯だと言おうにも、二対一のあっちのほうが卑怯だしね。


『隠密』


そう思うと不意打ちするためのスキル発動を念じながら、少しの間戦略的撤退をしてた岩からゆっくり出る。


それからさっきアイツラがいたところに向かってゆっくりと忍び足で歩き出す。


―――――――――――


少し歩くと、さっきのところから少し離れたところに、憎きネズミ二匹衆を発見した。

まだ警戒しているのか、別れてはいないようだ。


「キィー、キイィ?」


「キィ!キイィ」


音を立てないように注意しながら、後をつけていく。音を立てたら『隠密』が解けるからね。


それにしても、ネズミ二匹衆は何か会話しているようだ。この世界の生物って会話できるのかな。


そんなことを思いながら、岩を尻尾でぽいっと投げる。


「キッ?」


レッドマウスが気づいたようで、マジカルマウスから少し離れて辺りを見渡す。


『毒射』と何回も念じながら、俺はその瞬間地を蹴ってマジカルマウスに肉迫する。


「キーーーーッッッ!」


レッドマウスは突然の攻撃に気づき、驚きの声を上げたが、時はすでに遅く、俺はそのまま首元に噛みつく。



「キィィイイイイーーーー!!!!」


『毒射』の攻撃もあってか、一秒も経たない時間でマジカルマウスは息絶える。


慌ててレッドマウスが俺に攻撃してくるが、こいつは単体ではただの弱いステータスのネズミだ。

体を捻って避けながら、尻尾を打ち付け、怯んだところに思いっきり噛みつく。


「キィ……!!」


レッドマウスがゆっくり倒れる。


"レベルが上がりました"


"『毒射』のレベルが上がりました"


それを見届けると、俺は近くの岩の隙間に身を潜めようと辺りを見回す。

なかなかに疲れた。すぐにいまにでも体が崩れ落ちそうだ。


―――――――――

更新設定を間違えてしまって遅くなってしまいました。申し訳ありません

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