前世


体から力が抜け、『進化』時の状態になり数分が経つ。


"『毒操作』と『毒生成』が統合されます…"


"『毒魔法』を獲得しました"


"『空間魔法』に登録されました"



"称号『魔法マジックコレクターき』を獲得しました"


俺は続けざまに響く中性的な声に意識を戻される。いや、どちらかと言うとこの世界に戻される、といった感じか。


『進化』している時間は五感が消え失せ、外の世界が感じられなくなるので、

どこか世界と切り離されているように感じて、結構いろいろなことを考えてしまうのだ。

なお、五感がなくなると言っても、自身の体の痛みは感じる。

やっぱり外の世界とだけ切り離されている感じだね。



先ほど色々考えてしまうと言ったけど、だいたいは前世のことだ。


例えば、前世の両親とか友達とかは元気にしてるかな、とか、新作のゲームプレイしたかったなとか。

ちなみに運要素が大きく関係するゲー厶はやっていない。やったとしたら、結果はまあうん、想定できるだろう。


まあ色々余計なことも考えたりしたけど、やっぱり前世に関しては少々寂しかった。


でも普通に考えたら、別に自殺願望があるわけでもない、ごく普通の人が未練がまったくない方がおかしいだろう。



いつも考えない、というより生き残るために必死で考える暇がなかっただけだ。


『進化』している時は一蛇?の身体だけで暗闇にプカプカ浮いてる感じがするから、そういうことはいとでずとも考えてしまう。


正直言って暇だからね。



そんな事を考えていると『進化』が終わったのか、

周りの景色が見え始め、体が動けるようになる。


俺はさっきまでの考えを中断させるように


「シィ、」


と息を吐くと『鑑定ステータスオープン』と念じる。


俺はどれだけ考えても、前世の未練を割り切ることなんてできない。もしかしたら一生考え続けるかもしれない。


俺が俺のままで転生できたことが嬉しいけど、これが前世の記憶を持って生まれたデメリットかもしれないね。


でも、俺はこの世界を楽しみたい。


だから、一部の時しかその事を考えないと決めた。他の時はそのことは絶対に考えない。


現実逃避、とも言うかもしれないけど、俺はこれでなんとかなってるから別にいいと思う。


そうもう一度思い返すと、俺は表示されたウインドウに視線を向ける。



種族>ポワゾンスモールスネーク



<HP> 72/75

<MP> 259/300

<物攻アタック> 36

<物防ディフェンス>39

<魔攻マジック>248

<魔防レジスト>120

<体力> 56

<瞬発力>100


:レベル20  <3/95>


スキル『逃走Lv.2』『熱感知Lv.3』『毒耐性Lv.4』『鑑定ステータスオープンLv.6』『暗殺Lv.4』『隠密Lv.2』『狙撃Lv.3』『大食いLv.2』『火魔法Lv.3』『水魔法Lv.2』『土魔法Lv.2』『風魔法Lv.1』『闇魔法Lv.1』『光魔法Lv.2』『空間魔法Lv.1』


称号『異端者』『ネズミ殺し』『寄生虫狩人パラサイドハンター』『魔法マジックコレクターき』


――――――――――――

微妙なところで終わってしまい申し訳ありません。

少し誤字を直しました

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