普通に
普通というのは奥が深い。
いいように言えばそう言える。では悪く言えば?なんだろう。普通というのはタチが悪い。なんだか誰でも言えそうな感じがする。
普通が難しい。普通は難しい。普通の難しさ。普通に難しい。普通、その様は。
何にもならないことをつらつら考えるのは趣味というほど高尚なものではなく、癖のようなものだ。今日はそれがこの普通という単語に照準が合った。
普通に上手い、と言ったら友人に怒られたことがあったことを思い出した。あるアイドルのことを話していたのだが、友人はそのアイドルのファンだった。アイドルの魅力の一つとして歌が上手いことが話題になり、その歌を友人は愛していた。友人はそんな愛しのアイドルが時折歌が下手だと言われることに傷つき、怒っていた。私は友人への配慮でもなんでもなく、そのアイドルのことを歌が上手いと思っていたので、「その人は普通に上手い」と言ったら、怒られた。「普通じゃない、すごく上手いから」と言わせてしまった。
今思えばこれは言葉の認識の差だったと説明することができる。私の中の「普通」は、世間一般的なレベルから見ても高いレベル、であったのだが、友人は一般的なレベル、として認識した。認識の違いが誤解を生んでしまった。
もし当時の私が今のようなことをつらつらと述べ、友人の誤解を解けていたとしたらどうだろう。それはそれで面倒臭い人間だと思われたような気もするし、嘘くさいと思われてしまったかもしれない。ここで過去へ戻れるボタンを使うのは勿体無い気がする。そんなボタンは持っていないけれど。
普通の認識は人によって違うということ。そして、それを乗り越える難易度も人によって違うということが言いたかった。だから普通は難しい。人によって普通はとても簡単なことで、なんの努力もしないでできる人もいるけれど、血のにじむような努力を積んでようやく普通になれる人もいる。だから普通は難しい。普通という言葉も使い方が難しい。奥が深いのか、タチが悪いのか、向き合い方次第だよなあと思った今日。また次回。
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