高熱の出た時に見る夢?
高熱の時に見る夢みたいな映像、と時々耳にする。私はこれにピンとこない。そうなのか、と思ってしまう。私は高熱が出た時にそのような夢を見た経験がない、あるいは覚えていないので、この例えに共感しづらい。
昔からさほど体調を崩す人間ではなかったので、熱が出た時は一大イベントだった。健康優良児だった私が熱を出すのは一年に一回あるかないか、それも歳を重ねるごとに減った。なので熱が出た時のことはよく覚えているのだが、悪夢を見た記憶は覚えがない。夢の話だから忘れているだけだとも思うのだが、それにしても経験がない。
そもそも熱が出ている時に夢って見るものなのか。私は大抵熱が出ている時はいつもの眠りとは違ってかなり深く眠る。夢なんて見ていない。目が覚めたら夕方か朝になっていたりする。おそらく私が高熱の時に悪夢を見ていないのは、深く眠りに落ちているからだろう。そもそも夢を見ていない。だから悪夢も見ない。元々ないものは良いものにも悪いものにもならない。
そう考えると私にとって「高熱の時に見る夢」という言葉はもはや慣用句やことわざの世界なのだ。猿も木から落ちる、豚に真珠、高熱の時に見る夢。奇妙奇天烈摩訶不思議奇々怪界な世界の例えとしてのみ存在している言葉に私の中ではなってしまっている。高熱の時に見る夢という言葉を私が一つ上の段階へ押し上げてしまった、などと馬鹿なことを言ってみる。
健康優良児だった私も成人してからというもの体に変化が起き始めている。今までは何のケアもせずとも動いていた部位が、油を注さなければ動かなくなってきた。ネジはよく外れるから締めておかなければならない。成人、人に成るということ。発達の段階を終えた体は緩やかに坂道を下り始める。体調には気をつけなければ、と実感する今日この頃である。また次回。
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